◇第4回 ―蚊の予防製品―

今回はよくペットコーナーでみかける“蚊の予防”とやらについて書いてみます。
飼主さんが誤解してる部分もあると思いますので、この機会にきちんと予防についても勉強してしてみて下さい。

ところで“蚊の予防”って何でしょう?正確には“犬フィラリア症”の予防という事になります。(犬フィラリア症については医療情報のページを参考にして下さい。)
大事なことは、蚊が媒介するフィラリアという心臓寄生虫の感染予防であって、ノミのように蚊に刺される事を予防するわけではないという点です。ですからペットコーナーで見かける蚊の予防や駆除製品だけでは犬フィラリア症の予防という
意味では不完全であることを理解して下さい。(というか、フィラリア症の予防にはなりません!)

よくある蚊の対策製品としては次のようなものがありますよね。
1. 蚊取り線香
2. 電撃殺虫灯
3. 超音波式虫除け器
4. ハーブによる虫除けバンダナ など
これらがダメな理由としては、、、
A) 殺虫効果が不完全
B) 忌避剤でしかも局所以外は防御できない
C) 散歩などの移動中は防御しない
といった状況が考えられ、結局蚊に刺される量や確立を減らすことはできても完全な駆除予防ができない訳です。このわずかでも不完全な部分が、恐ろしいフィラリア症の感染原因になってしまうのです。

(アドバイス)
やはりフィラリア予防は動物病院で処方される専用の予防薬を使用して下さい。また予防の前にはまず病院で診察や検査を受け、体重にあった予防薬を処方してもらいましょう。子供の時の体重のままの薬を飲んでいたり、決められた投薬期間、薬を飲まないと確実に感染しますよ。
動物病院で出される予防薬には次のようなものがあります。

チュアブルタイプ 錠剤タイプ 粉薬タイプ

いずれの製品もフィラリア予防薬として確立されたお薬で、投薬も容易でしかもほとんどは消化管内寄生虫も同時に駆除してくれるため大変便利です。特にチュアブルタイプは嗜好性が非常に高く、そのままで喜んで食べてくれるので、当院でも一番のお勧めです。
その他にフィラリアと同時にノミを予防できるタイプや、海外では他の外部寄生虫まで同時に駆除できるものもあるようです。いずれにしても、まずかかり付けの動物病院に相談してその犬に合った薬を出してもらいましょう。また特に大事なことはその地方の気候や飼育方法に合わせた投薬期間です。秋も過ぎて涼しくなってくると素人判断で、もういいだろうと投薬を終わる飼主さんが非常に多いようです。(山梨は結構いますよ)
最後まできちんと投薬して初めてフィラリア症の予防が成立しますので、獣医師の指示の通りに投薬を行って下さい。
丁度フィラリアの予防も始まる時期です。誤った知識や考え方で、大切なワンちゃんをフィラリアの危険にさらさないようにしてあげて下さい。

獣医師  音成 伸悟


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