◇医療情報−前房出血






【病態整理】
赤血球が外に出るのに十分な眼内血管の損傷が存在する状態で、 前房出血が引き起こされます。 出血している血管はそこに局在していたものや、新生血管です。
原因となる血管は網膜、硝子体(硝子体動脈または第一次硝子体)、 脈絡膜、毛様体または虹彩にあります。 そこに局在する血管は外傷、炎症、止血障害、腫瘍の湿潤の結果出血します。
新しい血管は本来漏出性で自然に出血する傾向にあります。 虹彩の新生血管形成の最も一般的な原因は慢性網膜剥離、慢性ブドウ膜炎、及び眼内腫瘍(特にリンパ腫)です。
前眼房出血は全身的な高血圧の徴候で特に老齢の猫で認められます。 多くの動物では前眼房出血それ自身は有害な二次的な影響は及ぼさないが出血が持続的であるなら、前房出血は続発緑内障を引き起こすことがあります。


【原因】
・外傷
・慢性網膜剥離
・ブドウ膜の新形成(特にリンパ腫、血管肉腫、原発性ブドウ膜黒色腫)
・ブドウ膜炎(特に猫:猫伝染性腹膜炎、犬:リケッチア性疾患に起因)
・凝固障害
・全身性高血圧
・寄生虫の迷入
・先天性眼異常
などです。


【治療】
前房出血に特定の治療はありません。 6時間ごとの点眼(コルチコステロイド:1%酢酸プレドニゾロン’0.1%デキサメタゾン)がブドウ膜炎の炎症を管理するのに用いられることが多いです。
コルチコステロイド反応性の全身性疾患(例:リンパ肉腫)や後眼部の炎症に前房出血が 起因している場合は全身性コルチコステロイドの投与が必要です。 続発性緑内障が生じていない場合は、癒着形成を防ぐ為に必要です。
外傷による前房出血のある動物では付随する付属器や角膜の異常を治療するため外科的処置が必要です。続発緑内障を引き起こした慢性前房出血のある動物では除去(眼球摘出、眼球内容除去および眼球内義眼)などの外科的処置が必要です。




VT 幸柳尚子  2003.11.05

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