◇医療情報−三叉神経麻痺



脳からはたくさんの神経が出て、体の至る所に分布して体の調節をしています。
その中のいくつかの神経は機能が低下・消失することで特徴的な症状が現れます。
今回はそういった特徴的な症状を示す、三叉神経という神経の麻痺についてです。


【原因】
原因はいくつかのものが考えられています。
その中で最も多いとされているのは自己免疫の異常によって神経が傷つけられたり、破壊されたりするのでは・・・と言われています。
実はわんちゃんはこの免疫の異常によって起こる病気が非常にたくさんあることが知られています。
三叉神経の麻痺もその一つなのです。


【症状】
三叉神経の作用の1つは、頭部に分布して脳からの指令を顔面の筋肉に伝えることです。特に咀嚼(噛むこと)や嚥下(飲み込むこと)に関わる筋肉を支配しています。 ですのでその部分が正常に働かなくなるため、
@口を閉じることができなくなる
A食べ物を飲み込めなくなる
B涎の垂れ流し ・・・といった特徴的な症状が現れます。


【診断】
その特徴的な症状を示すいくつかの病気を除外することで診断します。 そのために血液検査を実施します。
さらに脳脊髄液検査や筋電図検査などの特殊な検査もいくつかあり、必要に応じて実施します。


【治療】
原因が免疫の異常によるものがほとんど・・・と考えられているため、その異常な免疫を抑えるためにステロイドを投与することがあります。この治療については学者の中でもまだ賛否両論です。
また、症状として食べ物を飲み込むことができなくなるため、水や食べ物を人間が口に入れたり、あるいは腸管にチューブを設置して栄養素を吸収できるように外科的な処置を実施することがあります。


【管理中の注意】
口に入れられた食物を思い通りに飲み込むことができないため、それが肺に入り込んで肺炎を起こしてしまうケースがあります。そのため、呼吸状態がおかしくなっていないかは常に観察しておく必要があります。




獣医師 加藤拓也  2003.10.26

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