◇医療情報−痴呆 犬は6〜8才で高齢化が始まります。しかし、獣医療の進歩や伝染病の予防の普及、食餌や生活の向上などにより、飛躍的に伸びてきています。その結果、多くの高齢犬に行動異常がみられるようになりました。これを一般的に痴呆や見当識障害と呼んでいます。 【原因】 正常に発達した(学習した)知的機能が老齢による脳の変化によって失われることから痴呆はおこります。 【症状】 1.見当識障害 ・よく知っている場所でも迷うことがある。 ・機敏さや警戒心が低下し、無目的な動きをする。 ・壁や宙をじっと見つめていることがある。 2.相互反応の変化 ・家族を喜んで迎えなくなる。 ・撫でたり抱き上げたりしても喜ばない。 ・飼い主の関心を引こうとしなくなった。 3.睡眠パターンや行動の変化 ・昼寝が増えたり、夜間眠らなくなる。 ・夜間に家の中を徘徊する。 ・夜間に意味もなく吠える。 4.家庭でのしつけを忘れる。 ・散歩に行くことをせがまなくなる。 ・屋内での粗相の頻度が高くなる。 ・排尿、排便のコントロールができなくなる。 【診断】 まず、行動異常を伴う他の疾患を排除します。そのうえで、行動異常のパターンに基づいて診断します。 【治療】 抗不安薬や鎮静剤の投与。 食餌療法。 獣医師 佐藤美帆 2002.9.10 |
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