◇医療情報−てんかん




てんかんとは原因不明な発作が、特発的に反復する症候群です。遺伝的因子が証明されている犬種としてジャーマン・シェパード、ビーグル、キースホンドなどがあり、発生率の高い犬種としてプードル、コッカースパニエル、レトリバー系などが挙げられます。発症年齢は1〜5才で、雄は雌に比べてわずかに発生率が高くなっています。


【原因】
一次性てんかん(真性てんかん):原因不明
2次性てんかん:交通事故など、外傷による後遺症


【症状】
全身性の発作がみられます。不安、落ち着きがない、流涎、嘔吐などの前兆があり、その後強い痙攣を起こし、意識消失、後弓反張(後ろにのけぞる)、遊泳運動(手足を無意識にバタバタさせる)、失禁、脱糞などを伴います。通常2〜3分間で終わりますが、重度の場合は重積状態(繰り返し痙攣をおこす)に陥ることもあります。


【診断】
発作を引き起こす他の疾患との鑑別が必要です。そのため、病歴の聴取、一般身体検査、神経学的検査、血液検査レントゲン検査などのあらゆる検査が必要となります。これらの検査により異常が認められなかった場合、脳脊髄液分析やCT、MRI検査などが行われます。


【治療】
抗痙攣薬の投与


【予後】
てんかん発作の完全除去は期待できません。最終目標は発作の頻度と持続時間、発作の激しさをできる限り下げることです。発作のコントロールの失敗はたいてい、不十分な投薬量や、投薬できないなど飼い主の強力が得られなかったことによります。こういったことが起こらなければ、予後は良好となりますが、重積状態の場合は不良となることがあります。大型犬種では発作は重度であることが多く、薬による制御も小型犬腫に比べて難しいことが多く予後不良となるケースもあります。





獣医師 佐藤裕子 2003.12.9




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