◇医療情報−子犬の低血糖



血液中のブドウ糖が異常に低下した状態を低血糖といいます。糖分の供給が充分に行なわれない場合、体の中でもっとも影響を受けるのは脳を中心とした神経系です。ですので、血糖値が低下した状態では痙攣発作などの神経症状が見られます。
子犬の場合には特にこの状態に陥りやすく、食餌の与え方を含めた飼い方に問題があることがほとんどです。

原因 
@ 生きていくのに必要とするエネルギーは非常に高い
A 糖分を作るシステムが未熟である
B 糖分を作るのに使われる体に含まれているタンパク質の量がまだ少ない
C ブドウ糖を貯蔵する能力が未完成

以上のような特徴を子犬は持っているので、そこに寒さや飢餓などのエネルギーを使わなくてはならない環境と重なると血糖値はどんどん下がっていってしまうのです。

診断
血液検査…血糖値の測定

治療
ブドウ糖を飲ませます。
ブドウ糖を血管内に投与します。
全身状態が悪いのでそれらの症状に合わせた治療を行ないます。

予防
保温、こまめに食べさせる。

子犬が痙攣を起こす病気はジステンパー感染症やてんかんなど、いろいろありますが低血糖もその一つです。放っておけば命に関わる病気です。上述しましたが飼育環境や食餌の与え方を改善するだけでもかなりの部分を予防できる病気です。子犬のうちは手間もいろいろとかかりますが、温かい環境で、こまめに食餌をとらせるようにしましょう。


獣医師 加藤拓也 2002.9.10




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