◇医療情報−食糞


動物が自らの、あるいは動物種を問わず他の個体の糞便を摂食することです。
食糞は犬では一般的であり、猫では稀です。


<犬の食糞行動>
犬では、食糞が正常、もしくは自然な行動と考えられる場合があります。


<行動学的な原因>
・母犬が生後3週間位までの子犬の糞便を食べる。
 →これは清潔な巣であれば、自然界の肉食動物を巣に引き寄せるような事が
  なくなるためと考えられています。
・幼若な犬の食糞
 →腸内細菌のバランスを保つために起こる場合もあるとされています。
・有蹄類の食糞
 →大量の栄養が残存しているため、自然界において他の食物が摂取できない場合、生きのびる助けとしての行動と考えられています。
・その他
 ・不適切な場所での排便をした事に対する罪に対する反応。
 ・生活習慣、環境の急激な変化などよるストレスのかかる状態にある場合。
 ・一般的に同居している猫の糞を食べる場合もあります。
 ・オーナーの過敏な反応の期待や、気を引くために行っている場合も考えられます。


<医学的な原因>
・膵外内分泌不全
・副腎機能亢進症
・外因性のグルココルチコイド投与
・腸の吸収不全
・消化管内寄生虫症
・糖尿病
・甲状腺機能亢進症
 などがあります。


<診断>
 上記の事から食糞が単に行動上の問題か、あるいは
 医学上の問題から生じた症状かによって治療が決定されます。
 特に犬の環境、食べ物、扱いなどに関する完璧な稟告聴取が必要不可欠です。
 その他、食物に栄養の不足はないかを検討することも重要です。
 また、身体検査によって疾患の証拠が認められたなら
 さらなる診断検査が必要となります。



<治療>
医学的
・基礎となっている疾患の治療により解決すると思われます。

行動学的
・おそらく、糞便から遠ざけることが最も信頼性のある解決法といえます。
その他
・排便時に食物をご褒美に与えることにより、便を求める代わりに食べ物を期待させる方法。
・ビターアップルなど美味しくない味のものを糞にふりかける方法。
 また、糞内に辛いものを注入する方法。
・食べ物の変更(食糞の性状や臭いの変化)によりなくなる場合もあります。



VT 幸柳尚子 2003.3.25



トップ アイコン
トップ
トップ アイコン
医療情報