◇医療情報−緑内障

緑内障とは、眼球内の圧力の上昇および失明に進行することがある眼の機能障害をもたらす疾患 です。失明の危機から救うためには速やかに適切な治療を実施する必要があります。

 <原因>
 眼内圧は、眼球内を流動する液体の量によって変動します。眼房水の産生と排泄のバランスが崩 れて眼房水が増加すると眼内圧が上昇します。犬の緑内障の原因は、そのほとんどが排泄量の減 少によるものです。
犬の緑内障は、先天性、原発性、持続性のものに分類され、先天性緑内障は眼房水の流出路の異常によるものです。原発性緑内障とは眼球に眼内圧を上昇させる原因が見当たらないものをいいます。続発性緑内障の原因は、種々の眼疾患であり、なかでも水晶体の位置の異常(水晶体脱 臼)が重要です。

 <症状>
 緑内障の動物は、痛みのために目を細めたり、目の周囲を触られるのを嫌がったり、怒りっぽくなったりします。 眼は充血し、瞳孔は散大し、角膜がスリガラス状に混濁することもあります。眼圧の上昇が持続すれば、瞳孔は失明状態となり、眼球が大きくなって突き出てしまうこと もあります。

 <診断>
 眼圧測定検査、隅角鏡検査、眼底検査などを含む眼科検査によって確定診断されます。

 <治療>
 緑内障はその状態に応じて内科的または外科的に治療していきます。場合によっては、眼球摘出手術が必要なこともあります。


VT:山田 尚美 2001.12.2

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