◇医療情報−膿胸





胸腔内に感染性の液体が蓄積することを膿胸といいます。


原因
胸腔内の異物、胸壁・食道または主要な気道を貫通した刺創、肺の感染症の拡大、全身性敗血症の結果などが考えられます。しかし、とくに猫では特発性(原因不明)であることが多いです。


臨床症状
発熱、嗜眠、食欲不振、体重減少、および努力性の呼吸が主症状です。
胸腔内に液体の貯留する速度により、経過は急性にも慢性にも起こることがあります。


診断
胸部レントゲン検査により中等度から大量の胸水がみられ、胸水分析により化膿性浸出液が確認されれば膿胸の診断が確定します。


治療
抗生剤療法、胸腔ドレナージ、および輸液などの対症療法が、膿胸の治療には必要になります。
抗生物質は、浸出液の細胞診により効果を評価しながら使用します。胸水貯留が改善されてからも、抗生物質は経口で4〜6週間継続します。
また、胸腔ドレナージにより胸腔内から感染物質を排液することが必要です。貯留物の状態により胸腔洗浄が必要になることもあります。
膿胸の動物の多くは来院時に脱水して食欲がなく、電解質の補正を含む輸液療法を必要とします。
内科的治療に反応のない場合や、胸腔内異物や感染病巣が疑われる場合は、試験的な開胸術が適用になります。


予後
膿胸の動物の予後は、早期に発見され適切な治療を行った場合には良好ですが、経過が長く、胸膜の繊維化や拘束性の肺疾患がある場合は難治性となり、長期に渡る治療が必要になります。




獣医師 長田友希子 2002.12.10


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