◇医療情報−ノミアレルギー性皮膚炎

ノミは吸血寄生昆虫で、もっとも一般的な外部寄生虫です。
卵→幼虫→サナギ→成虫の順に発育し、成虫が動物の体に寄生し、針状の口器を動物の皮膚に突き刺し血液を吸い上げます。その際唾液が注入され、その唾液成分に対して、動物が過敏に反応した場合に、アレルギー性皮膚炎が起こります。

症状:
丘疹と紅斑を伴った痒みに見まわれます。さらに、激しい痒みに対して、自ら噛んだり、引っ掻いたりすることで、脱毛、皮膚の損傷や皮膚炎を生じます。これらの病変はよく尾根部、腰部、腹部に見られます。症状はいずれの品種・性別・年齢においてもおきます。一度発症すると、加齢に伴い悪化する傾向があります。
また、この疾患発生には季節性が見られ、通常ノミの大量に発生する夏から秋にかけて多く認められます。
また、現在はノミの寄生が見られないのにこの症状が現れることがあり
ます。これは、遅延性のアレルギー反応といって、ノミに刺されてからしばら
く立って症状が現れることがあるためです。

治療:
根本治療には、動物およびその環境からノミを完全に撲滅することです。ノミの駆除は動物の身体に寄生している成ノミだけでなく、犬小屋、カーペット、タタミ等の環境にいる卵、幼虫、サナギに対しても行う必要があります。
ノミの駆除については”医療情報(知っておきたいノミ知識)”、”買ってはいけないペット用品”をご覧ください。

VT 中村 朋美 2001.7.3

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