◇医療情報−知っておきたいノミ知識


ノミに悩むワンちゃん、猫ちゃん、しいては飼い主の方も大勢いることと思います。そこでノミについて少し勉強してみましょう


Q.ノミの種類は?
 2400種類のうちの数種類だけがペットに寄生し、一般にはイヌノミ、ネコノミが よく見られます。一般に、イヌノミは犬に、ネコノミは猫に寄生しますが、ノミの宿主特異性 は低いため、イヌノミが猫に寄生することや、ネコノミが犬に寄生することも多いのです。とくに最近では、 犬にも猫にもネコノミが寄生していることが多いと言われています。


Q.ノミのすみかは?
ノミの成虫は吸血するときだけ犬、猫に寄生します。それ以外は絨毯、畳、家具 の下、犬小屋の毛布の中、犬小屋の下などで生活しています。そのため、ノミの卵や幼虫、サナギもこれらの環境下にいるので、 ノミ退治にはこれら環境下の駆虫も大切です。


Q.ノミの生活は?
約20〜35日で成虫になり、長いものでは1年以上も生存します。ノミの快適温度 は24℃、相対湿度75%で、この条件下でメスノミは1日10個以上、一生で800個以上の卵を産みま す。一頭で1匹のノミを発見すると、その動物には100匹以上のノミがいると言われています。 また、成虫は雌雄ともに吸血します。ノミは乾燥と寒さに弱く、冬などは快適な条件がそろうまで、サナギのままで越 冬します。 しかし、現在は暖房設備が普及しており、冬でも暖かく快適な条件がそろってしまうため、ノミ も1年中生き続けられるようになってしまいました。冬でもノミの被害があるのはこういう理由なのです。


Q.ノミによる被害は?
(a)飼い主への影響・・・・人間に寄生することはありませんが、一時的に人を刺 すことがあり、四肢に発赤、丘疹ができ、激しい痒みを伴います。

(b)貧血・・・・多くのノミに吸血されると貧血を起こします。

(c)かゆみ・・・・痒いことがストレスのもとになったり、引っ掻いて化膿してし まうことがあります。

(d)ノミアレルギー・・・・ノミの唾液がアレルゲン(アレルギーの原因)にな り、アレルギー症状の程度は個体によって様々ですが、全身性のア レルギー性皮膚炎を起こします。激しい痒みがあり、発赤、痂皮、脱毛などの症状が、犬では腰 や尾、猫では首や腰を中心として現れ、ひ どくなると内股や腹部にも病変が拡がっていくことも あります。このアレルギーは遅延型でノミに刺されてからかなり あとで発症することがあります。

(e)犬条虫症・・・・ノミが媒介する消化管内寄生虫で、いわゆる’さなだむし’ による病気 です。犬条虫はノミが中間宿主となるため、条虫の卵を持っ>たノミを犬や猫がかみつぶしたとき に、卵が体内に入り感染します。少数寄生では症状がでないことが多いのですが、多数寄生で は下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。寄生している場合、米粒大の虫体が、肛門付近や便表面に認められたり、おしりを地面に擦りつけたりします。
(f)伝染性疾患・・・・ノミはペストや発疹熱を起こす病原体を媒介します。


Q.ノミ対策は?
動物に対するノミ対策:(”買ってはいけないペット用品”をご覧下さい) ノミとりシャンプー、ノミとり粉、ノミとり首輪、ノミとり液などがあります。 このうち、当院でおすすめしているのは動物に対する安全性の高い、ノミとり液で す。ノミとり液には、首の後ろに滴下するスポットタイプと、全身にスプレーするスプ レータイプがあります。これらは、ノミ成虫を確実に駆除できます。

(a)スポットタイプ:使用が簡単で即効性がありますが、安全性のため、使用可能 な月齢が犬では約二ヵ月半以上、猫では約三ヶ月以上と限られていま す。

(b)スプレータイプ:スポットタイプに比べ、動物の全身にスプレーしなければな らないので、少し手間がかかりますが、生後二日齢以上から使用可能 であるというメリットもあります。いずれにしても、ノミ駆除は同居しているすべての犬猫に行うことが大切です。 環境に対するノミ対策:ノミの卵や幼虫、サナギは環境下にいるため、ノミの撲滅にはこれら環境下のノミ対 策も大切で す。これらはこまめに掃除機をかけるのが一番です。その他、家具用のノミとりスプ レーやノミとり粉、くん煙剤などがありますが、これらを使用するときは必ず動物を他の部屋へ 移動させるなどの対策が必要です。


獣医師 高橋 亜矢子 2000.12.26


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