◇医療情報−日光過敏症(犬)





原因
強い日差しへの慢性的曝露が原因で起こり、また病状を悪化させます。
初期病変の多くは、色素沈着していない白色で体毛の薄い部分に発生します。


症状
多くの病変は顔面の背側面に発生します。
皮膚と鼻鏡の接合部にある色素の薄い部分に発生が多く、その他鼻鏡、外鼻孔、眼瞼、口唇の色素沈着していない部分が侵されます。
特に鼻の長い品種に発生する傾向があり、鼻に発生した場合、コリーノーズ(鼻)と呼ばれることもあります。
体幹の好発部位は、白色または部分的に白色の犬の側腹部および腹側腹部の色素沈着していない体毛の薄い皮膚で、ダルメシアンとホワイトブルテリアが好発犬種です。


診断
病歴および臨床症状の考慮し、日光への曝露を禁止することで顕著に改善がみられます。
生検サンプルの組織病理検査により確定されます。
他の自己免疫性疾患、真菌症、寄生虫などによる皮膚病との鑑別が必要です。


治療
副腎皮質ホルモン剤を投与し、日光を避けて生活させます。
膿皮症を併発している場合は、抗生剤や薬浴などの治療も必要になります。


予後
軽度〜中等度の病変は、体毛がなく薄くもろい上皮を再生して治癒します。
日光への曝露を続けると、びらんおよび潰瘍を形成し、日光性角化症となり、やがて扁平上皮癌に移行します。








獣医師 長田友希子 2003.1.3

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