◇医療情報−日光過敏症(猫)






原因
強い日差しへの慢性的曝露が原因で起こり、また病状を悪化させます。
初期病変の多くは、色素沈着していない白色で体毛の薄い部分に発生します。


症状
主な羅患部位は耳介および鼻鏡です。眼瞼や口唇に発生することもあります。
多くは耳介の遠位辺縁の紅斑、鱗屑、脱毛から始まり、進行すると皮膚が剥がれ、カサブタを形成し日光性角化症となります。
6歳以上の猫では扁平上皮癌へ移行するリスクが高くなります。
やはり白系の猫の罹患率は高いとされています。


診断
病歴および臨床症状の考慮し、日光への曝露を禁止することで顕著に改善がみられます。
生検サンプルの組織病理検査により確定されます。
他の自己免疫性疾患、真菌症、寄生虫などによる皮膚病との鑑別が必要です。


治療
副腎皮質ホルモン剤を投与し、日光を避けて生活させます。
膿皮症を併発している場合は、抗生剤や薬浴などの治療も必要になります。


予後
軽度〜中等度の病変は、体毛がなく薄くもろい上皮を再生して治癒します。
日光への曝露を続けると、びらんおよび潰瘍を形成し、日光性角化症となり、やがて扁平上皮癌に移行します。









獣医師 長田友希子 2003.1.3

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