◇医療情報−猫の膀胱炎・尿路感染症






【原因】
膀胱炎・尿路感染症は通常、下部の尿路から上部へと上行性に細菌や真菌などが侵入して発症します。
原因となる菌は糞便に由来する細菌が多いです。代表的な細菌は、大腸菌・ブドウ球菌・レンサ球菌・パスツレラ菌などがあります。猫ではいろいろな原因から尿結石ができ、それが膀胱や尿路を傷つけて細菌が繁殖しやすい状態になり、炎症が広がります。


【症状】
最初は尿の回数が増え、そのわりに尿量が増加していないことに気づきます。
そのうちにいつもの場所以外の所でも排尿するようになり、その際には背中を曲げたり、大声で鳴いたりします。お腹に触ると痛がり、ときには排尿困難により腹部が膨満します。
膀胱炎では細菌の繁殖により尿が白濁(膿尿)したり、膀胱や尿管の粘膜からの出血のため尿が赤色(血尿)になることがあります。


【特徴】
この症状は尿石症との鑑別が難しいと言われています。そのため<猫下部尿路疾患>とよばれることもあります。猫ではこれらの疾患は泌尿器疾患の中ではもっとも一般的なものです。
早期に診断される場合には比較的治癒は早いことが多いです。しかし、経過の長いものでは長期の加療が必要になってしまいます。また時には尿道の閉塞に気づかずに、尿毒症・膀胱破裂に陥ることもあるので、日常行動にはいつも注意することが大切です。メスでは感染性の膀胱炎が多く、オスでは結石が原因となって膀胱炎・尿路感染症を発症する例が多いです。


【診断】
頻尿と尿の色調により膀胱炎・尿路感染症を疑います。臨床症状からは尿石症・猫泌尿器症候群との鑑別は困難です。尿の簡易検査では尿のPHが上昇し、タンパクが陽性を呈することが多いです。尿道閉塞をともなう場合は、X線(レントゲン)検査により膀胱の拡張や結石を知ることができます。超音波検査では膀胱壁の厚さ、あるいは膀胱内の腫瘍、ポリープなどの存在が確認できます。


【治療】
主な治療は抗生物質と消炎剤の投与になります。原因によっては療法食を与えていただく場合もあります。


【予後】
この病気は早期発見が大切です。日頃から猫ちゃんの排尿の確認、尿の色調の確認などを
心掛けてください。




VT 加々美敏子 2003.3.25



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