◇医療情報−熱中症



熱中症(熱射病)は30℃以上の高い環境温度に長時間さらされた時や日陰でも高温多湿の所で起こります。特にエアコンのかかっていない炎天下での車の中などで起こりやすいです。人間の幼児も車の中に置き去りにされ熱中症になったというニュースはよく耳にします。熱射病を起こしやすい原因として、犬では解剖学的な構造の問題でパグやシーズーなどの短頭種、その他肥満・若齢・高齢などがあります。ウサギやハムスターなどの小動物も高温多湿に弱いので十分注意が必要です。

【症状】
初期にはパンティング(開口呼吸)・頻脈・過高体温が見られます。熱射病が進むにつれて体が無感覚になり、足先が熱くなってきて口の粘膜(歯グキ)は血液量や末梢血管の収縮のためにピンク色からだんだんと白くなります。血の混ざった下痢になったり皮膚に紫色の斑点がみられるときはDIC(播種性血管内凝固が発生している可能性があります。→完全に回復してから数時間後に発生するケースもあるので十分に注意が必要です。

【治療】
最初の治療の目的はとにかく体温を下げることです。冷水または氷水を入れた
浴槽のなかに胸部や足先を沈ませ全身を冷やします。10分ごとに直腸温をはかり、だいたい39、5℃くらいにまで下がったら外に出します。それ以上つけていると逆に低体温症になることがあるので注意が必要です。また、外に出してからも再び過高体温になることがあるので少なくとも30分間は10分ごとに体温を計測します。
脱水のため血液濃縮が起こったり、ショックのため循環不全が起こるので潅流血液量(体をめぐる血液量)を増やすために輸液を行ないます。

お家でもし熱中症かもしれないという状態になったら、まず体温を測ってみてください。体温は肛門に体温計をさして直腸温を測るのが理想です。測ってみて40℃近くあるときは氷やアイスノンなどで頭・首・脇・内股を冷やしてその状態のまま動物病院に連れてきてください。何もしないで2−3時間も様子を見ていますと高熱のため脳の方が障害を受けることがありますので、可能な限り早くつれてきてあげてください。


VT 望月慎也 2002.8.5



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