◇医療情報−くる病(Rickets)
原因
食餌中のカルシウム不足,ビタミン不足,日光(紫外線)不足が原因です。日光に当たらないと成長板の必要な正常なカルシウムの利用が行われず、ビタミンDの吸収異常が起こり骨の成長異常がおこります。猫ではまれです。
症状
最初は前肢の手首に当たる部分が太くなり肱が開いて弓状変形します。眼の下の頬骨も高くなり、肋骨にも高いこぶが出てきます。骨折しやすく、起立不能となり骨の痛みのため動くことを嫌がります。
診断
X線検査では骨格の成長に関与する部分に軟骨性の変化や骨端部の形成不全として見られるか確認を行います。
血液検査では低カルシウム、低リン値の確認やアルカリホスファタ―ゼの活性上昇の確認をおこないます。
治療
食餌の改善を行います。この時ビタミンDを投与する際には過剰投与により肺、腎臓の血管にカルシウム沈着を起こすことがあるので、必要以上に投与は行わないようにします。カルシウム投与は成長期の子犬では一日500〜600mg、ネコでは200〜400mgを必要とします。
日光浴はできるだけ紫外線に当たるように生活環境を改善します。この時に日陰も無い暑い炎天下に放置しないように注意しないと熱射病になるので注意してください。
VT 本原磨井子 2002.10.25
| |