◇医療情報−好酸球性肺疾患


◎<好酸球性肺疾患(好酸球性肺浸潤および好酸球性肺肉芽腫症)>

主に好酸球(白血球の一種)という細胞が浸潤してくる炎症性肺疾患のことをいい,肺の様々な過敏反応の総称です。肺の間質性の炎症を好酸球性肺浸潤と呼び,犬における結節形成を伴う重度なタイプを好酸球性肺肉芽腫症と呼ぶことがあります。

原因)
様々な抗原物質に対する過敏反応(アレルギーのようなもの)であり,犬糸状虫(フィラリア),肺の寄生虫,薬物,吸入性アレルゲンなどが抗原となり得ます。その他,感染性の要因(細菌,真菌)や腫瘍などもこの反応を導くことがあります。

症状)
咳,努力性の呼吸,運動不耐性などが現れます。食欲不振,体重減少のような全身的症状はそれほど強くは現れません。聴診をすると,呼吸性の雑音が聞こえることがあります。

診断)
血液検査を行うとしばしば血中に好酸球が増加しています。レントゲン検査において,びまん性に広がる特徴的な像が認められます。また,好酸球性肺肉芽腫症では境界の不明瞭で大きな結節が認められ,肺門部のリンパ節の腫大が認められることもあります。
診断の確定のためには肺から得られる組織材料を検査しなければなりません。気管の洗浄液で確認できる場合もあれば,肺洗浄や肺吸引や肺生検など,より侵襲性の高い検査が必要になることもあります。
また,反応性の疾患であるため,抗原が何かを検討しなくてはならず,そのために感染因子や悪性所見の評価,フィラリア検査,糞便検査などを行う必要があります。

治療)
反応を起こす原因疾患が見つかれば,その治療を行います。また想定される抗原から回避することで症状が治まる場合もあります。
抗原が検出できない,あるいは回避できない場合,副腎皮質ステロイド剤および気管支拡張剤を使用した治療を実施します。これに全く反応しない場合は細胞障害性の免疫抑制剤を併用する必要があります。また,ステロイドの使用で逆に症状が悪化する場合は再度感染性の要因を評価しなくてはなりません。

予後)
一般的に予後は悪くはありませんが,重症度あるいは原因疾患によって変わってきます。犬の好酸球性肺肉芽腫症の予後は注意を要します。


獣医師 堀 吾郎 2002.2.27

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