◇医療情報−抗がん剤について 抗がん剤はその名の通りガン(腫瘍)を抑える薬剤ですが、ものによって作用が異なります。 主な作用として腫瘍細胞の核を攻撃して細胞分裂するのを抑える。腫瘍細胞に栄養を与えないなどがあります。ただし、腫瘍細胞という物は普通の細胞との区別がつけにくいので普通の細胞まで攻撃してしまいそれが副作用となることがあります。 また、抗がん剤というのは腫瘍細胞の消失・治癒を目的とするものではなく、あくまで、外科的な摘出・放射線療法の補助としてあるいは症状軽減のため・今後の生活の質の向上のために使います。 抗がん剤というのは非常に危険なものなので、もし内服として処方された場合は素手で触らずにゴム手袋をしてから触るようにしてください。また、尿中に排泄される物もあるので排泄物にも直接触れないようにしてください。 −抗がん剤の種類− ・ アルキル化薬 核酸(DNAなど)の代謝を阻害して細胞の分裂をできなくして腫瘍細胞の分裂を抑えます。 ・ 代謝拮抗物質(たいしゃきっこうぶっしつ) 腫瘍細胞が成長していくのに必要な代謝物質を腫瘍細胞に行かないようにして、細胞の発育・増殖を抑制します。 ・ 植物アルカロイド 植物から抽出された物質で腫瘍細胞の蛋白質代謝を抑制して細胞分裂するのを抑えます。 ・ 抗生物質 微生物の代謝産物として得られる抗生物質の中には腫瘍の発育・増殖を抑える物があります。 抗がん剤は強い薬ゆえに強力な副作用があります。その副作用は薬剤によって異なります。 ―主な副作用― 骨髄抑制がおこり ・ 血小板減少により出血傾向(血が止まりにくくなります) ・ 白血球減少により免疫力が低下して感染症を起こしやすくなります。 ・ 赤血球減少による貧血 嘔吐・下痢などの消化器障害 肝臓で処理するために肝臓に負担がかかり肝障害 静脈内注射のみの薬剤が静脈外に漏れ出た場合の組織壊死 脱毛や皮膚発疹 などがみられます。 いずれにしてもかかりつけの先生からよーく注意を受けて下さい。 VT 望月慎也 2002.9. 10 |
トップ |
医療情報 |