◇医療情報−鉤虫症




【原因】
鉤虫は激しい症状を現す消化管寄生虫です。鉤(かぎ)のような小さな歯で腸粘膜に食い込んで、血液を吸います。便とともに排泄された虫卵は、発育して感染子虫となります。経口感染、経皮感染、そして胎盤感染により侵入します。特に経皮感染では、皮膚より侵入した子虫は体内移行し、最後に腸へ達します。


【症状】
下痢が起こり、タール状の便や血便になることもあります。吸血による貧血のため、重症では歯肉や結膜が白くなります。栄養状態が悪い子犬や子猫は抵抗力がなく、死亡することもあります。


【検査と治療】
血便やタール状の下痢便により、鉤虫の寄生がある程度わかります。顕微鏡による糞便検査により虫卵を確認し、寄生した鉤虫を駆虫します。早期治療が大変重要になってきます。
【家庭での手当てと予防】
重症の子の体力を維持するために、栄養分の高い食餌を与える必要があります。駆虫後の再汚染を防ぐために、犬舎の清掃(熱湯による消毒)を心がけ、運動場や放し飼いをしている場所の便はすぐに処理するようにしましょう。



VT 加々美敏子 2002.10.25

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