◇医療情報−多発性骨髄腫

骨髄形質細胞の単クローン集団に由来する造血組織の稀な悪性腫瘍です。発生は、犬で全ての悪性腫瘍の1%、造血腫瘍の8%、猫で造血腫瘍の1%といわれています。好発品種はとくにありません。起こりやすい年齢としては6〜13歳です。


障害臓器
機能している骨髄の多くの部分や腰椎、骨盤、頭蓋骨、稀に四肢骨格がおかされます。


症状
病変部および病気の程度によって異なりまが、跛行、疼痛、失禁、片側性または両側性の鼻出血、盲目、痴呆、不快感、呼吸困難、多飲多尿が認められることがあります。


診断
血液検査では、貧血、好中球減少症、血小板減少症、好酸球増多症、赤血球の連銭形成、低アルブミン血症と高グロブリン血症を伴った総タンパク質濃度の上昇、高カルシウム血症、およびBUN、クレアチニン、ALT、ALP活性の上昇が認められることがあります。
レントゲン検査では、犬では、多発性の骨融解像、猫では骨以外の部位では臓器の腫大が認められます。


尿検査
尿タンパク質の電気泳動によりベンスジョーンズ蛋白が検出されます。


その他
骨髄、骨および骨以外の病変の細胞学的検査によって形質細胞の割合が20〜25%を超えているかどうか確認します。


治療
プレドニゾロン、メルファラン、シクロフォスファミドなどを使用します。


予後
治療を行っても臨床徴候が消失するまでには数か月を要することがあります。
また、治療に反応する症例で、犬では生存期間は6〜12ヶ月です。猫では4〜12ヶ月です。

                         
獣医師 藤村 淳 2003.2.19

トップ アイコン
トップ
トップ アイコン
医療情報