◇医療情報−甲状腺機能亢進症


【甲状腺機能亢進症】

別名、甲状腺中毒といい2つの甲状腺ホルモンの循環濃度が過度に高くなり、そのために多数の臓器が侵される症候群です。

原因:犬では甲状腺癌が唯一の原因ですが、猫では甲状腺癌は希でその発生率はだいたい1〜2%くらいです。
猫の場合は甲状腺の機能性腺性過増殖(または腺腫)が原因ですがなぜ肥大するかはまだ判っていません。高齢になって発生することが大多数です。

症状:甲状腺ホルモンは熱産生から炭水化物、蛋白質および脂質の代謝まで生命全ての代謝過程を調節していますので、エネルギー代謝の増大と熱産生増加により食欲亢進になります。また、食べ過ぎにより二次的に嘔吐や下痢も起こります。その他の症状として体重減少、筋虚弱、多渇多尿、疲労、軽度の体温上昇などもあります。また甲状腺ホルモンは中枢神経にも作用し、交感神経が全体的に亢進します。それにより神経過敏や神経質になったり、行動の変化が起こり攻撃的になる場合もあります。

診断:臨床症状のほかに血液検査で血中の甲状腺ホルモン量を計測することによりわかります。

治療:犬は甲状腺の切除。猫の場合は甲状腺の腺性増殖の原因がわかっていないので治療として外科的な甲状腺切除、化学療法として抗甲状腺薬の長期間投与、放射線療法として放射性ヨウ素(大学病院レベルでないと行えない)の3つがあります。予後:甲状腺腫の予後は外科的に切除するだけでも極めて良好。甲状腺癌の予後は腫瘍の大きさ・切除可能かどうか・そして転移が存在するのかどうかにかかってきます。小型の腫瘍ですと予後は良好ですが、中〜大型の侵襲性の甲状腺癌の犬には外科手術と化学療法または放射線療法の組み合わせが必要となります。


VT 望月慎也 2002.6.5

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