◇医療情報−交通事故について



最近、自動車・バイクなどによる犬・猫や野生動物の交通事故が多発しています。特に犬に関しては自動車の通りの少ない郊外で多く発生する傾向があるようです。
それは、
@通りが少ないために飼い主が安心して綱をつけずに散歩する
A見通しが良いので車もスピードを出してしまうといった偶然が重なって、不幸にも交通事故を起こしてしまうようです。また、飼い主が夜になると犬を放してしまうというマナー違反の行為によっての事故もあります。

事故の原因になる乗り物は当然質量(重さ)が大きいので、スピードがゆっくりであっても事故に遭ったときの衝撃(エネルギー)はかなりのものとなります。また、スピードが2倍になると事故の衝撃は4倍になってしまいます。したがって速10キロメートルで徐行しているときにぶつかってしまったときと、時速20キロメートルでぶつかってしまったときには、破壊される内臓の状態も全く異なり、時速20キロ時の衝撃はかなりの大きさなのです。

交通事故に遭った動物は、即死してしまうものから症状や各検査に全く異常を示さないものまでいろいろです。事故に遭ったときのぶつかり方や、打った場所によって障害を受ける程度も異なるのでしょう。ただし、動物病院で「全く異常が認められません」と太鼓判を押されても要注意!交通事故の衝撃(エネルギー)はすべて動物の体内に吸収されてしまいますので、「検査で大丈夫」と言われても何らかの異常が体内で起こっていると考えておいた方が良いのです。

血管は事故の衝撃でもろくなっていることが多いので、特に太い血管は事故直後には出血がなくても興奮や激しい運動直後に突然大量出血してそのまま死んでしまうこともあります。ですので、事故を起こした後はどんなに動物が元気であっても、絶対安静を保たなくてはなりません。逆にこれができなければ常に突然死の危険性を伴っているのです。

事故を起こした後は、必ず動物病院で各検査で全身の状態を検査・把握してもらって、元気だからといって自由にさせるのではなく、可哀想でも事故の後遺症が現れないという保証を得るまでは安静にさせておくことをこころがけましょう。
私たちは通常事故後最低72時間後まで安静を保ってもらうようにしています。



獣医師 加藤拓也 2002.8.5




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