◇医療情報−ホルネル症候群


【ホルネル症候群】

ホルネル症候群は眼および付属器に対する交感神経支配の消失に起因する障害です。(目がたずさわっている神経)。
交感神経支配は眼周囲および瞬膜を含む眼瞼の筋肉緊張維持に関与しています。原因病巣が交感神経鎖のどの部位にあってもおこり、節前病巣(脳幹〜前頸神経節)と節後病巣(中耳〜眼)にわけられます(いわゆる頭の神経系ぜんぶ)。猫では後者の経路の損傷が一般的な原因です。

[原因]
上記の経路の外傷・腫瘍・感染などが原因です。

[症状]
縮瞳、上眼瞼の下垂、眼球陥没、第3眼瞼突出など他にも侵された神経の部位などにより四肢麻痺などがおこることもあります。また、それとは反対にこれらの症状が全部揃っていない場合もあります。

[診断]
X腺検査・MRI・CT・脳脊髄液検査・耳道検査・神経学的検査など神経系に関する検査をくまなくしなければなりません。
つまり、一般の開業医レベルでは診断できず、大学病院などの高度医療に頼らねばならない疾患です。

[治療]
特異的治療法はありません。しかし、根底原因の治療により軽快することもあります。

[予後]
根底原因により予後は様々です。
原因を見つけそれに対処できれば予後が良いものもあります。


獣医師 佐藤 美帆 2002.6.5

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