◇医療情報−肥満細胞腫


肥満細胞腫

 肥満細胞腫とは犬で最も多い皮膚の腫瘍です。
 肥満細胞と呼ばれる、通常でも体内に存在する細胞の腫瘍性増殖でイヌの皮膚の腫瘍の全体の16〜21%を占めています。決して太っているからなる癌ではありません。

原因
 原因は大部分わかっていません。
 まれな場合には、慢性炎症や皮膚を刺激する薬剤を塗る事が関わっているとされています。

症状
 症状はきわめて多様です。肥満細胞内に存在する顆粒が放出されることにより嘔吐・黒色便・腹痛が生じたり、腫瘍の周りに赤みが生じたりします。

診断
 診断としては、針で細胞を吸引して顕微鏡で大量に存在する肥満細胞を確認する事によります。 次に肥満細胞腫が疑われたら外科的にその部分を取って全体像を専門医(病理診断)によって確定診断します。

治療
 治療としては、外科的に腫瘍部分を切除する方法と放射線を用いた治療があり、どちらか単独で行う場合と両者を組み合わせて行う場合とがあります。また、手術後抗ガン剤を使うこともあります。

予後
 予後としては外科的に取り除いた全体像を専門医に診断して頂いた結果により異なりますが、腫瘍の大きくなる度合いが1週間で1cm以上の場合は30週生きられる可能性は約25%というデータがあります。

 早期発見、早期切除、という典型的な腫瘍の鉄則を守れば治る癌でもあります。


獣医師 藤村 淳 2002.5.12

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