◇医療情報−肥満


◎肥満(病気というよりは病気の原因です)

1)病名:肥満

2)評価:外見や体重測定によって判断できますが、実際的な方法として胸郭部の触診があります。皮下脂肪によって肋骨が不明瞭であれば肥満、触診しなくても肋骨が見えているようなら痩せすぎです。

3)原因:肥満は食餌エネルギーの摂取量が消費量エネルギーを超えるために起こります。
食べ過ぎ、運動量の低下が肥満を招きます。その他に甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、大脳・視床下部の病変が ある場合は、満腹信号が阻害され過食になることがあります。また、犬では同居犬など競争相手と一緒に食事を与えられると短時間で多量の食物を摂取しようとすることも考えられます。
一般に飼い主はたくさん食べることが健康の証であると思い込み必要以上の食べ物や、人間の菓子類などを与えることがありますが、これも肥満の原因となります。
ラブラドール、ケアンテリア、コッカ−スパニエル、ビーグルなど遺伝的に肥満となりやすい犬種もあります。 また、去勢/避妊手術を受けた動物では、運動量の低下、ホルモン分泌の変化により、肥満になりやすい傾向がみられます。

4)予防・治療:予防にはよく運動させ、規則正しく適切な量の給餌を行うことです。発育期に肥満を起こさせないことも大切です。
発育期の肥満は、脂肪組織の数を増やし一度増えた脂肪組織の数は減りません。すると成熟期の脂肪組織の数が多くなってしまいます。
治療は、運動量の増加とカロリー摂取量の減少が必要です。しかし、著しい肥満、心疾患、呼吸困難がある場合はあまり運動させてはいけません。食餌は栄養的に完全で、バランスがよく、高繊維質、低脂肪、低カロリーの物を与えます。
このような食餌はエネルギー摂取量を減少させ、満腹感を与えることが出来ます。また、他のペットと一緒に食事を与えない、家族が食事中は別の部屋に連れて行くなどの注意も必要でしょう。
肥満の治療は家庭内で行うので、家族全員の理解と協力が必要となり、根気よく続けることが大切です。

5)放置しておくとどうなるか?:肥満は単に外見だけの問題ではなく寿命を縮め色々な病気の原因ともなります。関節や運動器の疾患、呼吸器系の疾患、呼吸困難、心疾患、高血圧、腫瘍性疾患、肝機能障害、繁殖能力の低下、難産、皮膚病、骨疾患、糖尿病などが肥満の子に多く見られます。
また、多量の脂肪組織によって手術が困難になる場合もあります。

VT 中村朋美 2002.2.27

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