◇医療情報−肺水腫



肺水腫は肺の細い気管支、肺胞、肺の細胞と細胞の間に血液の液体成分が溜まった状態です。


【原因】
肺の炎症性疾患、電気コードを噛んでの感電、頭部の外傷、首締め、血管うっ血、刺激性のガスの吸入、低酸素症などは肺の毛細血管の透過性を亢進させ、毛細血管から肺胞内や細胞と細胞の間へ液体成分を漏出させます。
うっ血性心不全などで肺うっ血を起こすと、肺の静脈と毛細血管の圧力が上昇し、その結果として肺水腫となります。


【症状】
肺に液体が溜まることによって、肺に空気が入らなくなるので、肺水腫になると呼吸困難となり開口呼吸、浅く速い呼吸、腹式呼吸、咳などが見られ、舌や粘膜の色が青くなったりします。動物は不安な表情になり水様性あるいは血様性の鼻汁を流すようになります。
肺水腫初期では興奮あるいは運動後に速い呼吸と呼吸困難の症状を示しますが、末期には安静時でも呼吸困難になります。


【診断】
肺水腫は症状によっても診断されますが、確定診断は胸部X線撮影によって行います。また聴診で、呼吸に合わせて液体が移動する音がします。


【治療】
酸素吸入を行い、利尿薬によって肺に溜まった液体を尿として体外に排泄させます。うっ血性心不全の場合はさらに気管支拡張剤や強心剤などを使用します。ショック、アナフィラキシー、中毒などが原因の肺水腫には副腎皮質ホルモンの注射、アレルギー反応には抗ヒスタミン剤を投与します。いずれにしろ、動物病院での早い段階の治療が必要です。




獣医師 晴山寛子  2003.12.9

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