◇医療情報−外耳炎

外耳は耳介から外耳道および鼓膜からなっていて、外耳炎とは外耳道の炎症と痒覚を主徴とする疾患です。

原因:
誘因としては構造的なもの(垂れ下がった耳)や環境(温度や湿度)や物理的刺激や異物、耳の無駄毛などが挙げられます。これらによって細菌や真菌の感染が起こったり、耳ダニなどにより外耳炎になってしまいます。他の原因としてアレルギー疾患や、栄養性疾患、ホルモン疾患や腫瘍によっても起こることもあります。

症状:
かゆみの為に首を振ったり、耳を擦りつけたり、耳を後肢で掻いたり、首を斜めにしたり、また痛みを訴える子もいます。また耳を掻く事によって耳が腫れる(耳血腫)こともあります。急性の場合は発赤、充血、腫脹、悪臭のある分泌物などが見られ、慢性では、外耳道が肥厚して塞がってしまうこともあります。

診断:
耳鏡などを用いて耳の中を直接観察します。耳ダニや異物の有無や分泌物の性状、臭いなどを調べて、 それらのサンプルを顕微鏡で詳しく観察します。また、状況に応じて、細菌や真菌の培養や感受性試験をおこなう場合もあります。
 
治療:
耳介や外耳道の無駄毛の除去や分泌物を取り除き、洗浄します。原因によって薬剤を選択して塗布します。全身疾患などによって二次的に起こってるときは、原疾患の治療を行います。難治性の場合は手術を行うこともあります。
慢性化してしまうと完治しないことも多いので、早期治療を心がけてください。


獣医師 大風 英 2001.2.6

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