◇医療情報−乳腺腫瘍

1)病名:乳腺腫瘍


2)症状:メスの腹部に様々な大きさの腫瘤が見られ、疼痛はなく、尾側の乳腺に多く発生します。進行の速さも様々で、初期には臨床症状は見られませんが、進行すれば、元気・食欲がなくなり、末期には削痩し予後不良となります。また、腫瘤が自潰して化膿し、悪臭を放つものもあります。
一般に犬はその50%が悪性、猫は80%以上が悪性の腫瘍です。


3)原因:ホルモンが深く関連していると考えられます。


4)治療方法:一般的には外科療法が最善とされています。さらに、確定診断を下すためには、病理組織検査を実施し、良性か悪性腫瘍かを鑑別します。特に犬の乳腺腫瘍の約半数は悪 性腫瘍ですので”小さいから様子を見る”のではなく、小さいうちに手術でとって病理検査に出すことが必要です。
外科的摘出後の再発も比較的頻繁です。これは乳腺という腺組織の性質上、仕方のないことなのですが良性でも再発の可能性があります。
また、長期間放置すると転移も起りやすくなります。そのためにも、早期発見・早期治療が原則となります。


5)予防方法:交配の予定がなければ早期に避妊手術を行ってください。



 ※ここでいう避妊手術とは卵巣子宮の全摘出手術の事です。

VT 中村 朋美 2001.1.25


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