◇医療情報−会陰ヘルニア 骨盤の筋肉の弱い部分から臓器が袋に包まれた状態で突出する状態(お尻が腫れている)のことで、ほとんどが雄犬(95%)です。たいていが5歳以上で起こり、ボストンテリア、コリー、ペキニーズ、および雑種に多いとされています。気性が激しかったり、よく吠える犬にも起こりやすい病気です。 原因: 骨盤筋肉が先天的に脆弱であったり、性腺ホルモンの異常、前立腺の病気、慢性の便秘、あるいは直腸の病気などがあげられます。 症状: 肛門の片側あるいは両側に膨らみが生じたり、便秘、排尿困難、排便困難、あるいは症状の重いものでは尿毒症をおこすものもいます。(お腹の中から出てしまった臓器によって症状が異なります) 鑑別診断: 肛門嚢の病気や肛門周囲の腫瘍が等が挙げられますが、前者は、肛門嚢だけに病変を認めるだけですし、後者は、病変の周りがたいてい不規則ということなどから鑑別が可能です。 診断: 症状や直腸検査等で行います。 治療: 手術をして、突出した臓器を元の位置に戻すという方法が挙げられます。また、性腺ホルモンの異常が原因の一つとして挙げられますので、去勢手術も同時に行うことがほとんどです。 獣医師 藤村淳 2002.9.10 |
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