◇医療情報−瞬膜腺脱出(チェリーアイ)

犬や猫には、上下にある二つの瞼以外に瞬膜(第三眼瞼ともいいます。)という、眼の内側(目頭側)に存在するもう一つの瞼があります。
瞬膜は目を物理的に保護したり、瞬きをすることによって涙を眼の表面に拡げて、角膜を乾燥から保護しています。この瞬膜の裏側にあるのが瞬膜腺で、通常は裏側にあるため、脱出などの異常が無い限り外側からは見えません。瞬膜腺には涙の約50パーセントを分泌するという役割があります。従って、脱出することにより角膜などにも障害が起こることがあります。

瞬膜腺脱出とは瞬膜の端から瞬膜腺が飛び出している状態で、この飛び出した組織が赤く腫れあがっており、それが「さくらんぼ」のように見えることから、一般に「チェリーアイ」と呼ばれています。

原因:
瞬膜腺は結合組織によって、瞬膜の裏側に付着していますが、この瞬膜腺を固定している結合組織が先天的に欠けていたり、未発達であると、本来の位置から飛び出しやすくなります。
これは遺伝性と考えられ、好発犬種はビーグル、アメリカン・コッカ−・スパニエル、セント・バーナード、ボストン・テリア、ペキニーズ、バセット・ハウンドなどで、1歳以下の若齢犬に認められることが多いようです。
その他、眼窩や瞬膜の外傷に続発して発生することもあります。

症状:
瞬膜腺が赤く米粒大からあずき大に腫れあがり、瞬膜の端から飛び出します。
飛び出した瞬膜は刺激を受けて炎症を起こしているため、痛みや不快感があり、これを気にしてこすったりしているうちに角膜炎や結膜炎を併発していることもあります。

診断:
特徴のある症状なので、見ればわかりますが、瞬膜の腫瘍、嚢胞などと鑑別す
る必要があります。

治療:
内科的な治療として、コルチコステロイドや抗生物質の点眼により、脱出した
瞬膜腺の炎症はある程度軽減されますが、再発したり、思ったほど効果があがらないこともあるので、永久的な治療としては手術が選択されます。つまり、完全に治すには手術が一番です。



獣医師 高橋亜矢子 2001.6.2

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