◇医療情報−猫免疫不全ウイルス感染症(いわゆる猫エイズ)

最近、猫エイズという言葉をよく耳にすることと思います。“エイズ”と言う言葉が使われているせいで、人間に感染したらどうしようと心配している方も多いことと思います。そこで皆さんの誤解を解き、より理解を深めてもらうために、猫免疫不全ウイルス(以下FIV)感染症について簡単に説明したいと思います。

1. FIVは人間には感染しない
FIVは猫を宿主とする猫固有のウイルスで人間に感染してAIDSを起こすことはありません。また、同居の犬にも感染した例はなく、感染猫を屋内で飼育することは何ら問題ありません。

2. 感染猫は屋内飼育
FIVは濃厚な接触、特に唾液による感染が主です。(猫同士)
したがって、他の猫に感染させないためにも屋外へは出すべきではないでしょう。また、感染していない猫は去勢や避妊をしてからの屋内飼育をお薦めします。

3. かまれた場合はヨード系消毒薬で傷口を消毒
人間や猫がかまれたときは、あわてずに人間は病院へ、猫は動物病院へ連れて行き、治療してください。応急処置としてイソジン、アルコール、オキシドールなどの消毒薬で傷口を消毒してください。

4. 感染猫の食器や敷物などは、家庭用洗剤、塩素系漂白剤(ブリーチ、ハイター)などで消毒

FIVはウイルスの中でも比較的弱いもので、食器は洗剤を溶かしたお湯につけ、水洗いすれば充分ですし、毛布などはブリーチを加えて洗濯すれば充分です。
5. 治療は完治を目指すものではなく、対症療法が主体今のところ、特効薬はありません。しかし、病状を軽くしたり、痛みを抑えたりして現在の症状に対する治療(対症療法)を行います。

6. 感染猫全てがエイズではない。
感染猫全てがエイズになるとは限りません。FIV陽性=エイズではないのです。したがって、現在発症していなければ、小さな問題が生じるたびに正しい対症療法を行っていればこれから先かなり生きられます。エイズはFIVのごく一部であり、感染猫がいつ発症するかはわかりません。しかし、FIV陽性の時は必ず私達の指示を受けてください。

以上、簡単に説明しましたが、ご不明の点などありましたらお気軽にお問合せください


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