◇医療情報−右大動脈弓遺残



胎児の時期には出生後に無くなってしまう大動脈を幾つかもっていてその一つに右大動脈弓と呼ばれる血管があります。生後も消えずに残ってしまい、その右大動脈弓が気管や食道を、ちょうど首を絞めてしまう様な形になってしなうため障害が発生しまう病気です。


【症状】
食べることはできますが、締まっているところから上手くのみこめなくなるので吐き戻したりします。特に液状物は通過しやすいですが、固形食は詰り易いので、離乳後に固形食を食べ始めてから吐くという症状が出ることが多いです。


【治療】
通常は手術を行います。食道・気管を取り巻いている右大動脈弓や組織を取り除いて食道・気管の圧迫を除きます。


【予後】
食道の拡張の度合いによって予後は異なってきます。食べた物が食道の締まっているところから流れなくなってしまいます。一部は吐いて出してしまいますが、一部は貯まってしまうので徐々に食道が拡張してしまいます。あまりにも食道が拡張し過ぎてしまうと食道としての機能が失われてしまうので予後は悪く手術後も吐くことが続いたりします。


【注意】
《幼いワンちゃんやネコちゃんが離乳が終わり、固形食を与え始めてから吐く事が多くなった様子があったら右大動脈弓遺残の疑いがありますので早めに来院されてください。》




獣医師 林孝直  2004.2.29

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