◇医療情報−狂犬病

いま、日本で飼育されているすべての犬は1年に1回、狂犬病の予防注射を必ず接種しなければならないと法律で定められています。

@狂犬病は感染した犬に噛まれるとうつる。
A狂犬病にかかった犬は性格が狂暴になって人を噛むようになる.とういうのは周知のことと思います。

今回はこの「狂犬病」がどんな病気なのかをもう少し詳しくお話しします。
犬だけの病気と思われている方も多いのですが、本当は人を含めたすべての哺乳動物が狂犬病にかかってしまいます。また、アメリカなどの海外では、犬の他猫にも狂犬病の予防注射が義務づけられています。(毎年ではありませんが)そして症状が出てしまうとほぼ100%死亡する、とても恐ろしい病気なのです.実際にインドでは一年間に3〜5万人もの人々が狂犬病で亡くなっています。

病原体はウイルスです。感染している動物は唾液の中にウイルスを出しているので、噛まれたときにその唾液が傷口から体内に入って、感染します.ウイルスは神経の中で増殖しながらゆっくりと脳に到達し、そして脳を破壊していきます。

したがって、症状は病気の進行によって、興奮状態⇒ 麻痺⇒意識不明⇒死亡という経過をとります。治療法はありません。感染して興奮状態にいる犬はきわめて攻撃的になり、他の動物や人に噛みついて狂犬病の患者を増やしてしまいます。狂犬病にかかってしまった犬は例外なく殺処分となります。ただし、人では噛まれてすぐにワクチンを接種することで症状がでるのを防ぐことができます。

しかし、この恐ろしい病気も現在日本にはないと言われています.ですが狂犬病のない国は、イギリスやニュージーランドなど世界で数カ国しかありません。ですから「狂犬病予防法」という法律をつくって、検疫で海外から狂犬病の動物が日本に入ってくるのを阻止して、国内ではワクチンで狂犬病に対する抵抗力を高めて、この病気を日本に絶対入れないようにしているのです。

いま、ペットブームで海外からいろいろな動物が日本に輸入されています.海外と日本を行き来している動物もいます。

最近、「狂犬病予防法」が改正されて日本の検疫が強化されました。しかし、残念ながらそれでも検疫
だけで狂犬病の国内流入を完全に阻止できるとはできるとは言えません。「法律で義務になっているから」とうだけでなく、「狂犬病は絶対日本には入れないぞ」という気持ちで狂犬病ワクチンをもう一度見直してもらえたら幸いです。


獣医師 加藤 拓也 2000.12.25

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