◇医療情報−自己免疫性溶血性貧血(AIHA)

AIHAは自己の赤血球に対する自己抗体を産生することによって、赤血球が破壊される病気です。
死亡率の高い疾患であり、マルチーズやプードルで発生率が高いようです。また、メスよりもオスでの発生率も高くなっています。

原因
赤血球に対する自己抗体産生の原因は明らかではありませんが、赤血球の細胞膜に生化学的変化を起こさせるような薬剤、化学物質、ウィルス、細菌の関与、また、正常な免疫調節機構が変調をきたして自己の赤血球に対して過剰反応を引き起こすことが原因だといわれています。


症状
主な症状は激しい貧血に関連しています。可視粘膜および皮膚の蒼白化、元気消失、食欲不振が主要な症状であり、ほかに発熱、黄疸、リンパ節の腫大、苦しそうな呼吸などの症状が認められることがあります。


診断
身体検査所見、血液検査、生化学検査、尿検査、特殊検査(クームス試験)の結果をもとにして決定されます。重要な所見は、血液塗沫標本における球状赤血球と再生像の存在です。


治療
AIHAは多くの場合、急激に進行していく重篤な疾患であるため、速やかに適切な治療を開始していく必要があります。治療薬の中心は副腎皮質ホルモンとその他の免疫抑制剤です。このほかに輸液、輸血、酸素吸入、脾臓摘出手術なども実施されることがあります。
いずれにしても早期診断、早期治療がポイントとなります。 


VT 山田 尚美  2001.9.10

トップ アイコン
トップ
トップ アイコン
医療情報