◇医療情報−胃拡張−胃捻転 犬の胃捻転は突然発症し、胃がねじれることからショック状態に陥り、放置すると数時間で死亡してしまう、緊急を要する疾患です。 胃捻転は脾臓と胃へ分布する血管とともに胃全体が時計回り、または反時計回り方向に90度から360度ねじれるものまであります。捻転の程度にもよりますが胃の入り口である噴門と出口である幽門が閉鎖するため、胃内はガスと胃液が時間とともに充満して異常に膨満します。 [原因] 胃捻転は胃内に停滞するガスまたは液体の増加および胃の流出障害、食後の過度の運動などが起因する胃拡張がおもな原因です。このほか種々のストレス、食餌や水の過剰で急激な摂取もその発生に関与しています。 [特徴] この病気はグレート・デーン、ボクサー、ジャーマン・シェパード、セント・バーナード、ドーベルマンなどの大型犬や超大型犬に多く、遺伝的要因も考えられています。また、あらゆる年齢で発症し、雄に多い傾向があります。 [症状] 一般に食後、1〜4時間以内で腹部が膨満してきます。嘔吐の姿勢をとっても吐物が出ない状態が続き、努力性呼吸、チアノーゼ、可視粘膜が白く退色し、脈圧が低下するなどショック症状をおこします。そのまま治療せずに放置すると数時間で死亡します。 [診断] レントゲン撮影をし、診断します。 [治療] 胃捻転を治すには早く治療することが第一です。短時間で取りかえしのつかないダメージが起こってしまいます。そして治療が間に合わず死んでしまう犬が数多くいます。 胃捻転になると必ず、手術をしなければなりません。また残念ながら再発もよく起こります。この病気にかかった飼主さんは回復期も特に気をつけて再発を早期に発見することが重要です。 [予防] 食事の回数を1回にしないことです。(最低でも2回) よく成犬では食事の回数は1回で良いという人や本がありますが大きな間違いです。絶対にやめてください。 また、食後の急激な運動も避けることをおすすめします。 VT 須田智子 2002.4.16 |
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