◇医療情報−分離不安症


 分離不安症とは飼い主の不在時にのみ認められる無駄吠えや遠吠え、破壊行動、不適切な排泄といった行動学的不安徴候や嘔吐、下痢、震え、舐性皮膚炎といった生理学的症状のことをいいます。どのような年齢、性別、犬種にも起こりえます。
飼い主の在宅時にも認められる上記の行動とは、類症鑑別が必要です。

[原因]
飼い主の外出に対する馴化不足や、飼い主における突然のライフスタイルの変化、外出時や帰宅時における飼い主の愛情表現の過多などがあげられます。

[症状]
飼い主の外出直後から30分の間に出現します。
1.飼い主が出て行く姿に対する攻撃性:うなり声、足首に噛みつこうとする。
2.破壊行動:物をかじる、穴を掘り、物を破る。
3.自虐行為:体を過度に舐める。
4.多動:止まることなくうろうろする、階段を上がり下がりする。
5.不適切な場所での排便、排尿。
6.心身症:下痢、嘔吐。
7.無駄吠え。

[診断]
ビデオカメラなどによって確認します。

[治療]
行動療法と薬物療法とがあります。
行動療法:1.飼い主と犬の関係の再構築。
     2.擬似外出。
     3.外出を知る手がかりの排除。
     4.外出時と帰宅時の愛情表現の排除。
     5.不適切な罰の禁止。
     6.散歩の頻度増加。
     7.犬が安心できる場所の提供。
薬物療法:抗不安薬の投与がありますが、あくまで行動療法の補助というかたちで使用します。

[予後]
分離不安症における問題行動の多くは学習された行動のため、行動療法の予後は大変良好です。


獣医師 佐藤美帆 2002.4.16



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