◇医療情報猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)と猫カリシウイルス感染(FCD)

1)病名:
猫ウイルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症

2)症状:
元気・食欲の低下、発病初期の発熱、鼻炎による膿性鼻汁、上部気道炎、結膜炎などで。FVRでは、3〜4日の潜伏期の後、突然のくしゃみが見られることが多いのですがFCDでは、くしゃみはあまり見られず、口粘膜、舌、口唇に潰瘍を形成し、これによって流涎を示し、摂食出来なくなることがあります。重症例では肺炎を起こすこともあります。

3)原因:
これらはともにウイルスの感染によって起こります。FVRはヘルペスウイルス、FCDはカリシウイルスという病原体です。これらのウイルスはすでに発病している猫の鼻汁、眼漏、唾液中に多量に存在しており、直接接触したり、同じ環境で飼育され飛沫で感染したり、取扱者を介して間接的に感染します。(つまり、猫が全く外にでなくても感染してしまうのです)

4)治療方法:
ウイルスに対する有効な薬物や薬物療法はほとんどないので二次感染菌の抗生物質療法になります。元気・食欲がなく衰弱している猫には輸液も必要となってきます。結膜炎は目やになどをきれいに拭き取り点眼液をつけます。鼻汁などもきれいに拭き取り呼吸が楽になるようにしてあげます。これらの治療は対症療法にすぎず、自らの免疫力を向上させ、体内ウイルスの増殖を抑え、排除できる
ようにならなければ治癒はしません。なので、基礎体力をつけられるよう安静にし、栄養をつけ、暖かくしてあげることも大切です。ちなみに当院ではインターフェロンを使った治療法を主に行います。

5)予後:
子猫や老齢猫を除けば比較的予後は良好です。ただし、免疫状態が低下している場合や白血病、猫エイズにかかってる猫では慢性的に鼻炎や結膜炎がぶり返してしまうことがあります。

6)予防:
ワクチン接種で予防出来ます。100%予防できるわけではありませんが、もし、発病したとしても治療に反応し、短期間で回復する場合がほとんどです。(ですから、ワクチンは重要なのです)

7)消毒:
非常に伝染力の強い疾患なので、使用した食器やケージ、トイレなどは感染源になるので、塩素系漂白剤を希釈した溶液で十分消毒して下さい。飛沫でも感染するので出来れば隔離し、他の猫との接触を避けてください。

VT 中村 朋美 2000.12.25

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