◇医療情報−猫伝染性腹膜炎

FIPは猫科の動物に見られるウイルス性疾患です。

1.原因
コロナウイルスの感染によってひきおこる疾病で、自然感染路は不明です。

2.症状
@腹水貯留型:予後は極めて悪く、体重減少、衰弱、腹部膨張がみられ大量の腹水が貯まってしまいます。
A乾燥型:腹水は伴わず、眼病変(角膜浮腫など)、神経症状(痙攣、後駆運動障害)が見られます。更に肝臓、腎臓、脾臓に肉芽腫性病変が発現するため、腹部触診でざらざらした感触を得ることもあります。

3.診断
腹水貯留型の場合は腹水の特徴や症状から判断できます。腹水は粘調性があり黄色をしていて、比重が1.018以上であるのが特徴です。ウィルスの抗体検査により症状と比較しながら診断します。
乾燥型の場合、診断は難しいようですが、いずれにしても血液の抗体検査で診断をします。

4.治療
発症した後の有効な治療方法はありませんので対症療法をおこなって、QOLを保ちます。しかし、ほとんどの場合、病状は進行し、死に至ってしまいます。

5.予防
ない!(室内飼いにし、FIPの猫と接触させない)
※このことからも室内飼いは必須になるでしょう。

VT 山田 尚美 2001.2.6

トップ アイコン
トップ
トップ アイコン
医療情報