◇医療情報−犬の膀胱炎・尿道炎




膀胱は腎臓で作られた尿を貯留するための袋状の器官であり、尿道はこれを排泄するための導管のことをいいます。これらの器官は内腔が粘膜でおおわれて外界と接しており、外陰部や包皮はつねに細菌によって汚染されているため、膀胱炎・尿道炎は下部尿路から上部尿路へと上行性に細菌などの微生物が侵入しておこることが多いものです。特に犬では細菌性の膀胱炎がほとんどで、糞便に由来する菌によって発症します。一般的に雄では前立腺が細菌感染に対する防御機能をはたしているので、雌よりも発症しにくいといわれています。


【原因】
犬では細菌感染によるものが多く、他に結石や腫瘍、外傷などによっておこります。


【症状】
痛みを伴う頻尿や排尿困難、血尿、膿尿、痛みによる元気の消失や食欲の低下などがみられます。膀胱炎と尿道炎の症状は類似していますが、尿道炎では血尿が排尿の最初にみられますが、膀胱炎では尿全体もしくは排尿の終わりにみられます。尿道の違和感のために雌では外陰部、雄では陰茎をなめるような仕草がみられることもあります。尿道炎が長期にわたって続くと炎症のため尿道の内腔が狭くなり、閉塞して尿閉(尿がでなくなる)をおこすこともあります。


【診断】
尿検査にあわせて膀胱のX線検査や超音波検査を行います。それによって結石や腫瘍の有無を確認します。


【治療】
細菌性膀胱炎では抗生物質の投与を行います。結石がみられた場合あわせて食餌療法を行ったり外科的に除去したりします。腫瘍の場合ではその腫瘍にあわせた治療をおこなっていきます。


【予後】
原因にもよりますが細菌性膀胱炎や結石によるものであれば良好です。しかし、慢性経過をたどっている膀胱炎では難治性となることがあり治療に時間がかかるものもあります。


                         
獣医師 佐藤 美帆 2003.4.29

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