第4回 耳毛抜き・耳掃除の仕方 

当院に来院される飼い主さんで『最近、耳を痒がるんです』と言う方が結構多いのです。お家での手入れでこのようなことはかなり予防できるのです。皆さん、ご存知でしょうか?

耳の中を清潔に保つためには、まず耳の中に生えているいらない毛を抜いてしまうこと、コットンを使って耳の入り口付近と、外から見える範囲の耳の中の汚れをふき取って綺麗にしてあげることが重要です。
ここでは、耳掃除前のワンちゃんの様子のチェック・耳掃除する時のチェックポイント・耳毛抜き・耳掃除の仕方を紹介します。

☆耳掃除をする前にワンちゃんの様子をチェック!
1.後ろ足で耳や耳の後ろ(首)など掻いていませんか?
2.頭をバタバタさせていませんか?
※このような症状がある場合は耳掃除をせずに、動物病院へお連れください。

☆耳の中を掃除する時のチェックポイント!

1.耳の中に大量の毛が生えていませんか?(耳の中がむれてしまい、汚れも溜まりやすいのです。すぐ耳毛を抜いてあげましょう。)
2.耳の皮膚(内側)が赤くなって炎症がおこっていませんか?
3.耳の中に汚れは溜まっていませんか?(ミミダニなどいないかは動物病院で検査をしてもらいましょう。)
4.耳の中がベタベタしてませんか?
5.耳の中から変な臭いはしませんか?(正常は無臭です。)
※このような異常がある場合、耳掃除をせずに動物病院へ!

☆耳掃除に必要な道具☆


☆耳毛の抜き方☆
カンシを使って毛を抜き取っていきます。すごく難しい作業です。間違って耳の皮膚をつままないように要注意!!!傷つけると気にして掻き始めてかえって病気の素となります。
初めは2人がかりで押さえて動かないようにしてやりましょう。
無理ならば動物病院へ!
  
片手で耳の中が見えやすいように軽く持ちます。


カンシを片手で持ち、毛だけを挟んで抜いてください。
この時、大量に毛を挟んで一挙に勢いよく抜かないように注意してください。『いたーい』とワンちゃんが泣き叫ぶでしょう。少量の毛をカンシで挟み、そっと抜いてあげましょう。また、皮膚を挟まないように注意して下さい。1度挟んでしまうと、耳毛抜き嫌いになってしまいます。



◎毛を抜きやすくするコツ
良い例:カンシの先はガタガタしているので毛を縦に挟むと抜きやすいです。




悪い例:カンシで毛を横に挟むと毛がすりぬけてしまい抜きづらくなります。



☆耳の中の拭き掃除の仕方☆
耳毛が綺麗に抜けたら次のお掃除に入ります。
チワワ・パピヨン・ゴールデン・ラブラドールなどで、もともと耳毛が生えないワンちゃんは拭き掃除だけでもOKです。
今度は、耳の中の汚れをふき取ってあげましょう。



コットンを指に巻きつけるか、カンシに巻きつけてコットンに洗浄液を付けます。


耳毛抜きと同じように片手で耳の中が見えやすいように軽く持ちます。


そして、耳の中を丁寧に汚れを取りながらふき取ります。
この時、見える範囲までにしてください。ワンちゃんに耳の中はL字型になっていますので、奥まで突っ込まないように注意してください。傷つけてしまう恐れがあります。また、気合を入れすぎてゴシゴシこすると赤くなってしまうので注意してください。(皮膚の弱い子ほど注意する必要あり)


耳掃除後:こんなに綺麗になりました!


耳掃除は健康な子は週に1回くらいのペースでやってあげると良いでしょう。ミニチュア・シュナウザーのようにハイペースで耳毛が生えてしまうワンちゃんは、2週間に1回耳毛を抜いてあげることをお薦めします。耳毛があると汚れが非常に溜まりやすいのです。
何度も言うようですが、これらの処置は簡単そうで難しく危険です。自信のない方・ワンちゃんが暴れてできない方はトリミングに出すか、動物病院にお連れください。でも、まずは自分で自分のワンちゃんの手入れをするのが基本です。
頑張って下さいね!

トリマー 大木 賀央里



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