◇スタッフになるには・・・(獣医師)


◆獣医師ってどんな仕事?
 獣医師といったら皆さんどんな仕事を思いうかべますか?
まず一番最初に思いうかぶのが皆さんの身近にある動物病院でワンちゃんやネコちゃんなどの小動物(ワンちゃんやネコちゃんなどです)を診察室している獣医師でしょう。実際に今は獣医大学を卒業した獣医師のほとんどはこの道に進みます。
また、小動物の獣医師のほかに、牛や馬、豚などの大動物の獣医師になる人もいます。この場合は、小動物とちがって動物が病院にきて診察をうけるのではなく、獣医師が農家を1件1件まわって診察していることが多いのです。獣医師の中には小動物と大動物の両方を診察している方もいらっしゃいますが、小動物と大動物では体の大きさだけでなく病気の種類もちがってきますので、ほとんどの先生はどちらか一方を専門に診察されています。
 この他に大学に残って研究をする人、公務員となって空港の検疫官(けんえきかん)や衛生試験場(えいせいしけんじょう)などの公共の機関ではたらく人、外国の大学に留学してさらに勉強する人など獣医師の仕事はさまざまです。
 一番てっとりばやく獣医師の仕事を知るには、やはり近くの動物病院に見学、実習に行くことでしょう。当院はHPでも実習生を募集していますが、おそらく募集を出していない病院でも自分が見学、実習したいと申しこめば受け入れてくれる病院がほとんどだと思います。まずは自分の家の近くの病院でもいいので勇気を出して実習、見学をしてみてください。

◆獣医師になるにはどうしたらいいの?
 獣医師になるのにどうしても必要なことがあります。それは全国にある獣医大学を卒業することです。卒業して初めて獣医師国家試験の受験資格が得られます。
全国には、国立では東京大学、東京農工大学、北海道大学、帯広畜産大学、岩手大学、岐阜大学、鳥取大学、山口大学、宮崎大学、鹿児島大学、大阪府立大学の11大学あります。私立大学では日本大学、北里大学、日本獣医畜産大学、麻布大学、酪農学園大学の5大学あります。これらの大学のいずれかに入学し、6年間勉強し、卒業しなければなりません。いがいと知られてないのですが獣医大学では人間の医師と同じく6年間学ばなければなりません。そして最後に獣医師国家試験に合格しなければなりません。

◆獣医大学に入ったら
 獣医大学に入ったら6年間かけて獣医になるために必要な知識を学んでいくことになります。大学によって若干ちがってくるとは思いますが、基本的には午前中は講義、午後は実習になります。実習は教科ごとに試験管や薬品を使った基礎的(きそてき)な実験や、顕微鏡(けんびきょう)を使った体の組織や寄生虫の観察、そしてもちろん生きた動物を使った実習もあります。動物を使った実習では、注射(ちゅうしゃ)や保定(ほてい)の仕方、検査の仕方などからはじまり、牛のお尻に手を入れて内臓(ないぞう)の状態を検査する直腸検査(ちょくちょうけんさ)もあります。
そして解剖実習(かいぼうじっしゅう)や外科実習など動物にメスを入れる実習もあります。これらの実習の動物は残念ながら安楽死になることが多いのですが、そのまま飼う学生もいるのです。最近ではこういった実習は減らしていこうという動きも大学によってはあるようです。どちらにしてもたくさんの動物たちの命に触(ふ)れて獣医の学生は学んでいくことになります。
学年が上になってくると、内科(ないか)、外科(げか)、繁殖(はんしょく)、薬理(やくり)、生理(せいり)、病理(びょうり)など他にもたくさんある研究室のどれかに所属しなければなりません。研究室ではそれぞれ色々な分野の研究をしていて、そこで学生は実際に実験をして卒業論文を書かなければなりません。これが結構大変でした。実験がうまくいかなかったり、せっかく論文を書いても教授にダメ出しされたりと、卒業論文締め切り間際はみんな大学に泊まり込んで卒業論文を書いていました。
 大学生活では、色々なサークル活動に参加したり、コンパをしたり、友達と色々遊びに行ったり、恋人が出来たり(私にはあんまり関係なかった・・・By晴山)、と楽しい学生生活も待っています。

◆獣医師国家試験
 6年間勉強してやっと卒業した!・・・だけでは残念ながらまだ獣医師にはなれません。卒業と同時に獣医師国家試験が待っています。現在の獣医師国家試験はマークシート方式の5択問題ですが、2日間かけて300問〜400問の問題が出されます。この試験に合格してはれて獣医師免許をもらい獣医師になることができます。この試験に合格するために皆、寝る間も惜しんで勉強します。したと思います…。たまには息抜きもしましたが…

◆小動物病院の獣医師になったら
 獣医師免許を取得したあと、いよいよ獣医師として働き出します。最初にも言いましたが、現在は獣医師のほとんどが小動物病院の獣医師の道に進みます。アメリカの獣医学生は、大学病院で実際に診察しながら学んでいくので、卒業と同時に一人前に診察できる人がほとんどなのですが、残念ながら日本の獣医の教育システムはそのようには出来ていません。ほとんどが紙の上だけで学ぶことが多く、実際に診療の現場にたずさわるのは、卒業して動物病院で働きだしてからと言うことになります。ですから、日本の新人獣医師は病院で働きだしたらすぐにバリバリ診療ができるわけではありません。6年間大学で勉強して国家試験に合格しても、新人獣医師は実力的にはな〜んにも出来ません。経験も技術も素人同然です。ですから、就職した先の動物病院で一から修行しなければなりません。たくさんの動物達とかいぬしさん達に出会って、たくさんの病気を診て、たくさん怒られて、たくさん泣いて、たくさん笑って、たくさん経験して、少しずつ1人前の獣医師になっていきます。獣医師の仕事は一生勉強しなければなりません。科学の進歩と共に、いつまでも新しい発見があり、新しい知識、新しい技術を勉強していかなければなりません。とてもやり甲斐がある仕事でもあると思います。

 獣医師を目指す皆さん、少しは参考になりましたか?獣医師という職業は最近は人気が出てきて、大学志願者の倍率も年々高くなってきているようですが、あきらめず、自分を信じてがんばって下さい。私は高校の時、偏差値も低かったし、結局全ての大学に落ちて1年浪人しました。それでも今こうして動物病院で未熟ながら働いています。大学には一旦社会に出てから、獣医大学に入学する人もいます。結婚している人もいます。みんなあきらめずに夢を叶えています。皆さんもがんばって下さい。

獣医師  晴山 寛子






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