◇スタッフになるには・・・(トリマー)


◆トリマーってどんな仕事?
 トリマーとは簡単に言えば”犬の美容師”といったところでしょうか。
しかし昔から猟犬、番犬として活躍してきた犬が家族の一員であり、かけがえのないパートナーとして大切に育てられるようになっている現在、飼い主の過保護による病気や社会性の問題や高齢化など、このような状況の中で正しい知識をもち動物のケアやアドバイスもできなくてはいけないのがトリマーだと思います。
また、そんな現在でも”動物にトリミングなんて必要がない”という人もいます。しかし人間に改良され人工的につくられた犬たちは、野生動物とは違い、彼らの健康で清潔な暮らしを守るためには人間の手による世話や管理、手入れが必要なのです。そのためにもトリマーはカットができるだだけではなく健康に関する幅広い知識が必要になってくるのです。
そして、トリマーに必要なのは、知識だけではありません。
最近は大型犬も多く飼われているので、体重が40キロ以上などの大型犬種をあつかう時もあります。仕事はほとんど1日中立ち仕事です。それに、すべての犬たちがおとなしくカットさせてくれるわけではありません。落ち着きなく暴れる子、かみつこうとする子もいます。このことをみても体力、忍耐力も必要だと思います。
でも、私たちはやっていくうちにだんだんカットもできるようになってきたり、シャンプーしているときに気持ち良さそうな顔をしてくれる子を見ると、嬉しくなります。

◆トリマーになるには・・・
 トリマーになるには大きく分けて2通りあるとおもいます。
@ペットショップやペットサロンへ「見習い」として直接就職してトリミングを学ぶ。
Aトリマーを養成する専門学校へ行く。
 
@の就職率は低くトリマーの経験や知識がまったくないので、非常に難しい道ですが、やる気を認めてやとってくれるショップも中にはあります。
しかしペットショップやペットサロンには独自のやり方やトリミングスタイルがあるので、基本を知らないままそれが自分のトリミングスタイルに反映してしまうため、ショップ選びはとても難しいものになってくると思います。

Aの専門学校も数多くあるので、自分にあった学校選びが大切になってくるでしょう。

◆専門学校選び
 まず、私がトリマーになるための学校を選ぶにあたって悩んだのは、「JKC(ジャパンケネルクラブ)」の資格を取得できる所に行くかどうか?ということでした。
しかし、現在のところ「トリマー」という職業資格は国家資格ではなく民間資格ですし、採用にあたって資格は関係ない」と言うペットショップ・ペットサロン・動物病院が大多数なので必ずしも必要ではありません。
さらに、JKCのトリマー資格試験はプードルで受験するのが一般的なため。実際の仕事場で一番カット数の多く来る「シー・ズー」や「マルチーズ」などのペットカットでは受験できません。
なので「JKC」の資格を取得し、卒業した新卒トリマーより、その他の学校の新卒トリマーの方が技術が劣るか?というとそうとは言いきれないのです。
しかし、「JKC公認のトリミング学校」は、厳しい条件を満たさなければ「JKC養成機関」には選ばれないため、カリキュラムも厳しい条件をクリアするよう決定されています。独自にカリキュラムを決定できるその他の学校の中には、お金と時間の無駄になっている学校もあるので、「JKC公認のトリミング学校」の方が安心、安全と言えるかもしれません。
(もちろんその他の学校でも、きちんとした内容のカリキュラムの学校も数多くあります。)
 その他の学校選びとしては、「とにかくトリミング技術を極めてドッグショーの世界やペットサロンで働きたい」とか、「ペットショップで、ペットのしつけも指導できるトリマーになりたい」とか、「動物病院で、VT兼トリマーとして働きたいのか」などなど、自分のやりたい事によっても、学校選びは違ってくると思います。
なぜかと言うと、同じ美容科でも、トリミングをほとんどメインに教えるので、トリミング技術はあるが、看護などの他の知識は劣るところや、逆に看護もきちんと学べるがその分トリミング技術は劣るなど学校によって違うからです。
また、中には看護科でも、トリマーの資格を取得できるという学校もあるので、トリミング技術は少し劣るかもしれませんが、看護士メインでトリマーもやりたいという方には、そのような選択もあると思います。

 次に、学校選びのポイントとなるのは、トリミング実習がどんな感じで行なわれているか?をきちんと確かめることです。
学校によっては、生徒の数に対して犬の数が少なすぎて毎回数人で1頭をトリミングしていたり、前回やったばかりで、形のできている犬をまたトリミングするとか・・・これでは、まったくトリミング技術は上達しませんよね。又、ある学校では、実習のために教材として新入生には犬を1頭必ず購入し、飼わせるところもあるようです。

 そして次のポイントとして、どんな期間学ぶか?ということ。
学校によってはしっかりと2年間学ぶ本科、1年や半年で卒業できる短期化や働きながら勉強したい人のための夜間科などもあります。
また、2年間学び、さらに上を目指したい人のための指範科などを設けている学校もあります。本格的にやるには2年以上の学校が良いと思います。

 最後の学校選びのポイントとしてあげたいのが、卒業までにかかる学費です。学ぶ期間と、内容に見合った金額なのか?また、余計な必要のない教材まで高額で買わされないか?
など、いくつかポイントをあげましたが、とにかくいくつもの学校をみくらべる事が大切です!
それぞれの学校に資料を取り寄せたり、ホームページを見たり、説明会に積極的に参加したり、その中から各学校の見学会の日を調べて、直接見に行くこともお勧めします。
「百聞は一見にしかず!」です。
直接学校を見て話しを聞くと「なんか思っていたイメージと違う・・・。」とか「この学校の雰囲気すごくいい!!」とか、これは結構重要です!!

◆トリマーになって
 私たちは、小さい頃から動物が大好きで、動物にたずさわる仕事につきたくてずっと夢みてきたことが実現できて、今本当に自分は幸運だなぁと実感しています。
しかし、みなさんの中にはトリマーに「華やかな」イメージを持っていたり、犬好きの方では一度はあこがれる職業かもしれませんが、トリマーとはかなり過酷な仕事なのです。
その他にも辛いことはいくつかあります。
私たちの専門学校時代の友達ではトリミングで嫌がったり、暴れたりする犬を前にして、苦痛にしか感じられず、卒業後は一般企業へ進路変更した子もいるのです。
トリマーは、時には犬たちに苦痛を与えてしまう仕事。だからそれを少しでも軽減できるよう努力していかなければいけない大変な仕事だとトリマーとして働いて改めて感じています。
わたしたちは、トリマーに対するイメージを悪くしたり、トリマーを目指す方の夢を壊すために、これらのことを書いたのではなく、ただ「単なるあこがれ」や「軽い気持ち」でトリマーを目指して、せっかく高額な学費を払ってトリミングスクールを卒業できても、トリマーの卵のまま、この世界を去っていってしまったり、トリマーとして働きだしたものの脱落していく方もたくさんいるということを知っておいてほしかったのです。

◆最後に・・・
 でも、やっぱりトリマーは良いです!楽しいです!毎日大好きな動物に触れて仕事ができてすごく幸せです。まさに「趣味の延長より楽しい仕事はない」という感じですね。
しかし、トリマーは技術力が問われる世界だと思います。毎日のほんの少しの努力も大切だとおもいます。
トリミングスクールを卒業したからプロのトリマーとは決して言えないので、小さな事でも目標を持って働くことが大切だとおもいます!
「今までより、1分でも早くしあがるようにしよう」とか、「かいぬしさんにもっと喜んでもらえるカットをしよう」とか、目標をもって頑張っています!
さらに、「トリミングで仕上がって、きれいになった自分の犬を見たかいぬしさんが喜んでくれて、かいぬしさんの嬉しそうな顔を見て喜ぶ犬」トリミング後のこんな光景を見ると、本当にこの仕事を選んでよかったと思います。

トリマーは決して楽な仕事とは言えません。本当に大変な仕事です!!が、逆にその2倍、3倍本当に楽しい仕事です(^o^)vvv
みなさんも頑張ってください♪

トリマー  五味 さやか
トリマー  白井 晴奈






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