基本的には全ての犬は(猫もだけど)室内犬が望ましい。なんでって犬は番犬としてではなくコンパニオンアニマルとして家族に迎え入れて欲しいからである。コミュニケーションの意味でも室内犬がベストである。(セントバーナードも?っていう人がいるけどこれも住宅事情が許せば室内飼いしてほしい…)。 まず、屋外犬舎は、いわゆる犬小屋が主体である。日曜大工でお父さんが作って、大抵、入り口が小さいとかで子供に文句を言われる、あれである。材質は木製が一般的であるが、通気性や換気、温度管理などに気を付けて選ぶ必要がある。日本は湿度が高いので、犬舎の床面はやや浮かせて設置した方が良い。でないと、梅雨時や夏場はとんでもないことになる…カビで。あとは湿気がこもることによって、ワンちゃんの皮膚病の原因になる。よく、ずーっと同じタオルを犬小屋の中に入れたままにして、「何ヶ月洗濯してないんだろう」状態の飼い方をしている人がいるが、あれもヤバい。細菌、カビ、寄生虫(ノミとか)の巣窟になっちゃいますよ。また、屋外で、犬小屋の横に短い鎖で一日中つながれているワンちゃんをよく見かけるが、これもストレスになるので宜しくない。暑い時なんかは、避難できる場所がないと、熱中症になってしまうので、よしずや屋根を付けてあげるのも思いやりのある飼い方である。ある程度、お庭の大きいお宅であれば、運動場として、犬の大きさに応じたスペースをフェンスで囲んで、そこに入れておくのがベストである。「ウチにゃそんなスペースないわよ!!」ってな方でしたら、家の周りにワイヤーを張り巡らせて(当然敷地内ですよ)、それにリードをつないで、ワイヤー沿いに自由に運動できるようにしてあげるのも一つの手である。いずれにせよ、激しく運動しても外れないように、きっちり首輪をはめるのは当然のことですけどネ。 これだってちゃんと法律で決まってるんですよ。 「犬及びねこの飼養及び保管に関する基準」の第三の危害防止のところに、1、放し飼い防止、2、脱出防止、3、繋留、ってのがあって、放し飼いしちゃいけません、脱出しないようにしなきゃいけません、つないである犬の行動範囲が道路や通路に接しないようにしなきゃいけません、って書いてあるんですから。これを守らないと淳の正義の鉄拳が飛んできますよ。ワンちゃんも危ないし。ちなみに当院の本院のある山梨県甲府市では、結構、放し飼いをしてらっしゃる飼い主様が多い。皆さん、ワンちゃんのためにも、ちゃんと規則は守りましょうネ。帰ってきたら、いきなり妊娠させられてたとか、交通事故にあって瀕死の状態だったとかじゃ、シャレにならないですからネ。(結構多いんです、これって)。 次に、小型の室内犬や子犬に関してだが、そんな子達には、サークルとクレートを用意してあげるのが良い。サークルとは、淳の言う「オリ」であるが、見た目はまぁそんな感じですな。折り畳みもできるし、軽いから持ち運びもできる便利な物で、今なら、ペット・ショップでなくても、ホーム・センターなどに普通に売っている。大きさは畳2畳分がベスト。それをまずは部屋の中の静かな場所、人間が生活していて邪魔にならない所に設置する。通気も、当然考えてあげたい。
はじめの1ヶ月はサークルの中にクレートを入れてこのサークルの中が生活スペースとすれば良い。これは、もらってきたばかりのワンちゃんには特に重要なことなので、できれば、もらってくる前に、一式そろえておきたいもんである。部屋の広さの関係から、大きなクレートを必要とする中型以上の室内犬でも、いつも一定の場所を寝床として用意してあげる(クッションをおく)と、ワンちゃんは落ち着くことができる。 が、ここでワン・ポイント・アドバイス!!その寝床、絶対に、人間がいるべきベッドの上、ソファの上にしないように。なぜなら、そんな快適な場所を与えてしまうと、自分が人間と対等、ひどい場合は、人間以上の位置にあると勘違いしてしまうからである。(アルファーといいます)そうなるともうダメ。噛んでくるわ、吠えるわ、言うこときかないわ…手に負えなくなる。しつけの章でも触れるが、家族の中で犬は常に最下位、これ基本です。 教訓: 一、住宅事情が許すなら犬が大きくとも小さくとも室内で飼育して欲しい。 二、室内でも屋外でも、ワンちゃんが落ち着けるような、ストレスを感じないような環境作りを 心掛けるべし!!甘やかし過ぎも注意しなきゃだけどネ。 次回、なんとヨーキーが下痢をしてしまう。何ででしょー…ネ? 獣医師:斉藤大志 |
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