第1章…ワンちゃんを飼い始める前に
1−1:一生面倒見られますか?

登場人物
拓也(21):大学生。賃貸アパートで一人暮らし中。
      親からの仕送りとバイトで生活。
恵子(19):フリーター。拓也のアパートで半同棲中。


ある晩、拓也のアパートにて。
二人でテレビを見ながらの会話である…。
ちなみに番組は、「ポチたま」であったか、
「どうぶつ奇想天外」であったかは定かではない。

拓也「犬って可愛いよなー。
   オレらもさー、犬とか飼っちゃう?」
恵子「そうだねー、どうせ将来的には一緒になるんだしネ、うふ。」


この場合の拓也の軽いノリは0点。恵子は、少しは先が見えているので30点位である。
動物の寿命は、獣医学の進歩により、飛躍的に延びてきている。ワクチン接種、フィラリア症の予防、定期的な健康診断などをしているような犬であれば、15、16才まで生きるのは、今やザラである。大型犬だと、もうちょっと短いけど。そのように長生きする動物を、安易な気持ちで飼い始めてはいけない。可愛い赤ちゃんの頃から飼い始め、よぼよぼの老犬になるまで、キチンと飼い続けることができるか。それを一番に考えて欲しい。
終生飼養(一生飼い続ける、ってこと)は、法律でも定められている。正確には、「動物の愛護及び管理に関する法律」の第5条により定められた、「犬及びねこの飼養及び保管に関する基準」の第1、として載っている。説明するのに疲れる程長い名前だが、嘘ではない。ただ、わざわざ法律で言われるまでもなく、当たり前のことである。ペットはアクセサリーやファッションの一部ではない。人間と同じ、一つの命を持った生き物である。それを、人間の都合で飼い始めたり、捨てたりしてはいけない。
この二人の場合、今は一緒にいるが、いつ別れるか分からない(余計なお世話)。そんな時、飼われていたペットはどうするか、ちゃんと話し合っておかないと動物が可哀想である(そんなに未来を悲観するカップルも嫌だが)。
これは何も若いカップルに限ったことではない。新築の一戸建てに住み始めた幸せな4人家族でも同様である(なんか妙に具体的…)。大抵は子供が、「飼いた〜い」と親におねだりして買ってもらうが、可愛い子犬の時だけお世話して、すぐに飽き、全ての仕事がお母さんに回ってくる。(あなたも経験アル?)飽きなくても、子供はいつか家を出る。そんな時でも最後はお母さんに押し付けられる。だから、飼う時は必ず、お母さんを議長にして家族会議を開くべきである。お母さんが「駄目」と言ったら絶対に駄目。あきらめましょう。
それから重要なことがもう一つ。結構、動物の毛に対して、アレルギー症状が出る人がいるので、飼う前に確認しなければならない。ワンちゃんが初めて我が家に来た夜、一番可愛がっていたお兄ちゃんは、喘息になって救急車で運ばれ、二番目に可愛がっていたお母さんは、体中に蕁麻疹ができて苦しんだ…ん〜、悲惨な光景である。皆さん、気を付けましょう。

教訓:
一、ワンちゃんの一生を背負う覚悟がないのなら、最初から、飼うのはやめるべし!!
二、ワンちゃんと関わるであろう全ての人の同意を得てから、飼うべし!!


次回、二人は、飼う犬の種類を決める。どうなることやら…。(でも期待してるでしょ)

獣医師  斉藤 大志 


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