◇第7回 ―フェレット編―


 さて今回は海外で大人気のフェレットです。特にアメリカではペットとしてある程度確立され、生態学や栄養学も比較的分かっている動物です。しかし、我が国ではまだペットとしての歴史は浅く、特にフードにいたってはかなり問題のありそうな物が多いようです。と、言う訳で今回の”買ってはいけない”は粗悪なフェレットフードです。
 では、どういったフードが粗悪品かと言うと、簡単に書くならば蛋白質が30%以下であったり、脂肪分が18%以下であったり、逆に灰分(ミネラル)が7%以上のものが問題となります。特にミネラル含有量の高いフードが多く、最近当院でもこういったフードを主食にされているフェレットが尿石症になって来院するケースが多いです。
 他にもドッグフードや安価なキャットフードを与えている飼い主さんもまれに見かけます。しかし、蛋白質や脂肪含有量が少なく、逆にミネラルが高すぎるので同様の問題を引き起こす可能性があります。 また、甘味のついたおやつ等は嗜好性が偏る可能性があります。

(アドバイス)
フェレットフードを選ぶ場合、その成分に注意する事が大切ですが、中々難しいですよね。そんな時は迷わずに米国マーシャル社のマーシャルフード(写真右)を選んで下さい。現在ではベストな選択です。その他海外輸入物のフード(例えば8in1、パスバレー、トータリーなど)は確かな物が多いようです。お近くで手に入らない場合は
通販などもあるようですから、インターネットで検索してみるのもいいのではないでしょうか。本来はきちんとファームがはっきりしていれば、そこで出しているフードが適しているケースが多いようです。
ここでフェレットの栄養学について少し書いておきますので参考にしてください。

1。蛋白質と脂肪
 最も特徴的な事は、蛋白質と脂肪の栄養要求量が非常に高い点です。具体的には蛋白質が30%以上、脂肪分は20-30%も必要とします。更にフェレットはほぼ完全な肉食動物なので、これら二つの栄養素は動物性である事が必要となります。特にタウリンやアルギニンといったアミノ酸や、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸は必須となります。

2。炭水化物
 もう一つ特徴的な事は、炭水化物からのエネルギーをほとんど必要とせず、逆にその過給によって腸内細菌叢を崩す可能性がある点です。

3。灰分と食物繊維
 ミネラルは尿石症の発生が多い事から、7%以下が理想です。また、食物繊維は盲腸を欠く為に消化出来ず4%以下が理想となります。

4。水分
 これは缶詰めが良いか、ペレットのようなドライフードが良いかと言う点にも関連します。実際に歯科疾患も多い事から歯石沈着の少ないドライフード(ペレット)の方が良いでしょう。また、給水方法としては糞便による汚染や、ひっくり返したり中に入って遊んだりするフェレットの性格を考えると皿よりも給水ボトルが良いと思います。水分摂取が不足すると食欲が低下する事もしばしばです。

5。ビタミン
 被毛の状態を保つ為に脂溶性ビタミン等が必要です(写真 右)。適切なフードを与えている場合は必ずしも必要ではありません。

6。おやつと毛球症治療薬
 フェレトーンやフェロバイト(写真下右)などの専用栄養補助品は嗜好性にも優れています。投薬が必要な時などにも利用出来るので個人的には一つ用意されると良いと思います。
 ラキサトーン(写真下左)のような猫用の毛球症治療剤も良いです。これは毛玉による胃腸閉塞を防ぐのに役立つだけでなく、異物を食べた場合、それらを排泄する助けにもなります。


7。その他
 乳製品関係は、乳糖による下痢の可能性があり、お勧めできません。果物や野菜もまれに好きなフェレットがいますが、食物繊維を消化出来ない事や嗜好性が偏る事を考えると、量などを十分に考える必要があるでしょう。


(まとめ)
 フェレットは本来非常に遊び好きで、人間にも良く慣れる動物です。飼育もそれ程難しく無く、きちんと管理すれば良い伴侶動物となります。しかし実際には栄養学的問題から様々な病気になって来院するフェレットが非常に多いようです。それだけにその生態をよく理解して飼ってあげて下さい。


獣医師 音成伸悟



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